サッカーというスポーツには、様々な見どころがあります。
その中でも最大の見どころは、やはり
ゴールシーン
でしょう。
海外サッカーやワールドカップなどの、ゴールシーンばかりを集めたDVDも販売されています。
世界中の点取り屋、すなわちストライカーたちが、己の身体能力・技術・センス・直感を駆使してゴールを奪おうとする様は、我々観る側の闘争本能も刺激します。
強豪リーグでも、20ゴール超えで得点王になれる!
世界各国からトップクラスのストライカーが集う、
ヨーロッパ五大リーグ
(スペイン、イングランド、ドイツ、イタリア、フランス)
は、守備の強力さも世界随一です。
各クラブのストライカーたちは、相手のディフェンス網をかいくぐり、ゴールを量産します。
どの国でも、大体
シーズン20ゴール
を超えれば、得点王になれる可能性が見えてきます。
メッシとC・ロナウドは、異次元の得点王争い!
しかし、例外も当然あります。
アルゼンチン人で
「世界最高のストライカー」
と評される
リオネル・メッシ、
ポルトガル人でメッシと世界一の座を競い合ってきた
クリスチアーノ・ロナウド(以下C・ロナウド)
は、2009年〜2018年の9年間、同じスペインのリーガ・エスパニョーラで戦いました。
メッシはバルセロナ、C・ロナウドはレアル・マドリーに所属していました。
この二人は毎年、30ゴール〜40ゴール超という異次元のレベルで、得点王を争っていました。
ストライカーのゴール確率はどれくらい?
ところで、得点ランキング上位で得点王を狙うストライカーたちは、どのくらいの確率でゴールを決めるのでしょうか?
世界トップレベルのプロだから、シュート成功率は50%くらい?
メッシやC・ロナウドだと、60〜70%くらい?
残念ながら、さにあらず。
様々な統計を見てみると、シュート成功率50%、つまりシュートの2本に1本はゴールになるような選手は、
誰一人いません・・・。
メッシやC・ロナウドですら、リーグ戦でのシュート成功率は
せいぜい30%程度です。
一般的には、20%を超えるとかなり確率が高いと言えます。
10本シュートを放っても、2本か3本しかゴールには結び付かないのです。
結局、ゴールの数がものを言う!
そして当然のことですが、得点王になるには、得点すなわちゴールの数が他人より多くなくてはなりません。
仮にシュート成功率50%の選手がいても、シュート数が30本だったら、
30 ✕ 0.5 = 15ゴール
しか奪えません。
例えシュート成功率20%でも、シュートを100本打って
100 ✕ 0.2 = 20ゴール
決めた選手の方が、ゴール数で上回ります。
あるWebサイトの記事で、2020年―2021年シーズンの
イングランド・プレミアリーグ
の得点ランキング
が紹介されていました。
このランキングには、上位6選手のゴール数及びシュート数、シュート成功率が掲載されています。
その数字が、なかなか興味深いです。
得点王と2位のゴールはわずか1点!しかし・・・。
1位、つまり得点王は
イングランド代表のハリー・ケイン(トッテナム・ホットスパー)。
109本シュートを打ち、23ゴールを決めています。
シュート成功率は、21%。
2位は
エジプト代表のモハメド・サラー(リヴァプール)。
90本のシュートで、22ゴール。
ケインとは、わずか1ゴール差です。
シュート成功率は24%と、ケインを上回っています。
ただ、シュート数は19本少ないです。
出場試合数・時間やチャンスの数が異なるので、シュート数に差が出るのはやむを得ません。
しかし、あともう数本シュートを打てていれば、1点くらいは上積みできたかも・・・。
ポジションや立場により、シュート数に差も・・・。
続いて3位は、
ポルトガル代表のブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)。
84本のシュートで、18ゴールを奪いました。
ユナイテッドのエースですが、ミッドフィールダーの選手です。
フォワードのポジションほど、ゴール近くでシュートを打てなかったのかもしれません。
4位は、
韓国代表のソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)。
53本のシュートで、17ゴール。
シュート成功率は32%と、上の三人よりも大きく上回っています。
ただ、トッテナムの絶対的エースはケインです。
シュート数がケインの半分以下に留まったのも、頷けます。
シュート成功率が低くとも、ゴール数が同じなら価値は同じ!
同率4位は、
イングランドのパトリック・バンフォード(リーズ・ユナイテッド)。
90本シュートを打ち、17ゴール。
シュート成功率は、19%。
ソン・フンミンとは、シュート成功率でかなり差があります。
しかし、ストライカーの評価基準はあくまでも
「ゴール数」
です。
ゴール数が同じなら、価値は変わりません。
6位は、
イングランドのドミニク・カルバート=ルーウィン(エヴァートン)。
72本のシュートで、16ゴール。
シュート成功率は、22%。
シュートをより多く打てば、チャンスも増える!
上記のデータをご覧いただけば明らかですが、欧州トップレベルのリーグの点取り屋も、
シュートの70〜80%は無駄に終わる
のです。
そしてイングランドでは、上位6人の中でシュートを最も多く打ったケインが、得点王に輝いています。
多くトライした選手が、多くのゴールを決める
という、分かりやすい傾向が見て取れます。
決定力の差は、シュート数で補う!
メッシとC・ロナウドについても、それに似た傾向があります。
ゴール数ではメッシの方が上回ります。
一方、シュート数ではロナウドの方が上回ります。
C・ロナウドは決定力でメッシに劣る分、より多くシュートを打つことで補っています。
日本のJリーグでも、それをはっきりと示す例があります。
1993年(平成5年)のJリーグ元年、アルゼンチン人の
ラモン・ディアス
は、シーズン28ゴールで初代得点王に輝きました。
しかし、シーズン全体で放ったシュートは300本を超えます。
成功率で言えば、9%ちょっとです。
イタリアやフランスで活躍した後、33歳で来日したディアスは、完全にキャリアの晩年を迎えていました。
それでも、他のストライカーたちよりはるかに多くのシュートを打ち続けました。
能力的な衰えを、ゴールへの貪欲さで見事に補ってみせたのでした。
最後に・・・。
「とにかく沢山トライしてみる」
「一本でも多くシュートを打つ」
という姿勢が、優れたストライカーたちの共通点です。
この姿勢は、サッカーだけに留まらず、人生にもプラスに働くと思います。
何度失敗しても挫けず、あれこれ根気強く試してみることによって、我々の人生の道も拓けてくるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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