イタリアであった、ドーピングすれすれ「疲労回復法」?

プロスポーツの世界では、大金が動きます。

どの選手も、良い成績を残すべく必死です。

しかし、その気持ちが間違った方向に出てしまうこともあります。

その最たる例が、いわゆる

「ドーピング」(doping)

です。

薬物の力で身体能力を向上させ、他の選手よりも優れた結果を出そうという行為です。

 

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発覚するとキャリアは破滅、自身の健康にも影響が!

プロ・アマのあらゆるスポーツで禁止されており、ドーピングが発覚した場合、その選手は出場停止処分を科されます。

行為の重大さによっては、永久追放処分となります。

また、過去の記録の全部または大部分が、取り消されてしまうこともあります。

そして、選手本人の健康に、大きな悪影響を及ぼす可能性もあるのです。

しかし、大金や名誉という魔力に抗えず、ドーピングに手を染めるアスリートは後を絶ちません。

 

陸上から野球、自転車などにも波及!

1980年代〜1990年代初め頃までは、

ドーピング=陸上競技

というイメージが強かったように思います。

短距離走や重量挙げ・ハンマー投げなどで

「瞬発力」

「筋力」

また長距離走で

「持久力」

向上にドーピングが用いられていました。

旧東ドイツでは、国家ぐるみでドーピングが行われていたのは有名です。

1990年代以降、野球や自転車レースなどにもドーピング汚染が拡大して行きました。

アメリカのプロ野球メジャーリーグでは、長打力を得るため、または珠のスピードを上げるため、

筋肉増強剤ステロイド

の注射などをする選手が増加しました。

ホームランで有名だった

マーク・マグワイア

バリー・ボンズ

も含まれます。

自転車レースでは、ツール・ド・フランス7連覇を達成した

ランス・アームストロング

も、ドーピングを長年続けていたことが発覚。

過去の優勝のほとんどが取り消され、自転車競技の世界から永久追放されました。

 

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サッカーは、ドーピングと縁遠いはずだったが・・・。

サッカーというスポーツは、ドーピングとは縁遠い競技と思われていました。

瞬発力や筋力があるに越したことはありません。

しかし、あったとしても特段有利というわけではありません。

点取り屋のストライカーや、ファンタジスタと呼ばれるテクニシャンには、小柄だったりスピードもあまりない選手が結構多いです。

そのため、1990年代半ば頃まで、そうした類のスキャンダルは聞かれませんでした。

 

イタリア一の名門クラブに、ドーピング疑惑が!

しかし1998年(平成10 年)、イタリアのサッカー一部リーグ

セリエA

を、ドーピング疑惑が揺るがしました。

当時ローマで監督を務めていたチェコ人

ズデネク・ゼマン(日本では「ゼーマン」表記が多数)

が、

「ユヴェントスが、禁止薬物を選手たちに服用させたり、不適切な医療行為を行っている。」

という旨の発言をしたのが発端です。

ユヴェントスと言えば、イタリア一の名門で、当時のセリエA最強クラブでした。

このドーピング疑惑は、裁判にまで発展。

ユヴェントスのスター選手たちが、法廷で証言するという異例の事態となりました。

裁判の結果、当時のチームドクターなどが有罪となった程度。

クラブ自体は「クロ」とは認定されず、最後はウヤムヤのうちに幕引きがなされたように覚えています。

 

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練習場の医療施設が、病院並み!

しかし、検察やイタリアリーグなどの捜査・調査過程で、驚くべき事実が判明しました。

強豪クラブは、練習場に立派な医療施設を持っています。

最先端のスポーツ医学により、所属選手の怪我の治療や健康管理を行っています。

選手たちは、定期的に健康診断や血液検査を受け、クラブはそれらをデータ化して蓄積します。

ユヴェントスの練習場にも、医療施設があります。

そこに立入検査が入りましたが、何とそこには、一般の病院に匹敵するほどの医薬品や医療品が備蓄されていたそうです。

 

サッカー選手の疲労回復は、大きな問題。そこで・・・。

サッカーの試合は、皆様もご存知の通り90分です。

場合によっては、30分の延長やPK戦があります。

トップリーグの選手で、一試合の平均走行距離は12〜14kmほど。

フォワードの選手でも、10kmくらいは走ります。

当然、疲労が蓄積します。

強豪クラブだと、国内リーグ戦、国内カップ戦、欧州カップ戦(チャンピオンズリーグなど)で、

年間60〜70試合ほど

を戦うシーズンもあります。

レギュラークラスの選手は、かなりの試合をこなします。

そして、代表選手として各国代表の試合にも出場します。

選手たちの

疲労回復

は、クラブにとっても大きな問題です。

そこで、ユヴェントスの医療チームは、色々な手段を用いました。

その中の一つが、我々一般人の想像を超える方法でした。

 

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選手たちの血液に、ある物質を加えると・・・。

試合の直前や試合の翌日などに、選手たちから採血します。

そして、その血液に

「鉄分」

を加えます。

その後、各選手に血液を注射し、身体に戻すのです。

鉄分自体は、禁止薬物ではありません。

また、自分の血を自分の体内に戻すので、拒絶反応は起こりません。

鉄分は疲労回復に効く成分です。

食べ物でも、レバー(肝臓)は鉄分を多く含むので、疲れた時に食べると良いと言われます。

血液に加えられた鉄分が体内に行き渡ると、選手たちの疲労回復が早まるというわけです。

この方法自体は、ドーピングとは認定されなかったようです。

 

最後に・・・。

それにしても、人間は色々なことを考えつくものだと、感心してしまいます。

2021年(令和3年)現在、あらゆるスポーツでドーピング検査が厳格化されています。

持病があり、薬を服用している選手は、事前に統括団体に届け出る必要があります。

競技によっては、風邪薬さえ自由に飲めません。

イングランドのサッカー「プレミアリーグ」では、かつて

「薄毛の治療薬」

を服用していた選手が、ドーピング検査に引っかかりました。

その結果、半年〜1年ほどの出場停止処分を受けました。

そのニュースをサッカー雑誌で読み、同じ男として

「それは許してやってくれよ・・・。」

と思いました・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。