こんにちは。husband(@kumafumoblog)です。
「郷に入っては郷に従え」あるいは「郷に入れば郷に従え」という成句は、ほぼ全ての人が知っているでしょう。
「ある土地や環境で生活することになったら、そこの習慣ややり方に従うのが賢明である。」
という意味で、説明するまでもありません。
同様の意味の言葉は他国でも存在しており、日本人にも有名なのは英語の
“When in Rome, do as the Romans do.” (ローマにいる時は、ローマ人がする通りにせよ。)
でしょう。
英語なのに、Rome (ローマのこと。イタリア語ではRoma)が出て来るのが面白い所です。
では、ローマが首都であるイタリアには、「郷に入っては郷に従え」と同じ意味の言葉は存在するのでしょうか?
結論としては、あります。
しかし、英語で出て来るローマという地名が、イタリア語では出て来ません。
どのように表現されているのでしょうか?
“Paese che vai, usanza che trovi.” となります。
cf. paese(国、故郷) vai → andare(行く) usanza(習慣、しきたり)
trovi →trovare(見つける、発見する)
日本語にベタ訳すると、「あなたが行く国ごとに、(その国独自の)習慣を見つける。」
という意味になります。
要するに、「郷に入っては郷に従え」と同じことです。
Webで調べてみると、第249代ローマ教皇のクレメンス14世が書いた手紙で使われた表現を、ラテン語から英語に翻訳したのが「When in Rome, ~.」らしいとのことです。
先日このブログで、「『蛇の道は蛇』を表すイタリア語の成句には、蛇が出て来ない。」という記事を書きました。
日本のことわざに「蛇の道は蛇」という言葉があるのをご存知の方は多いでしょう。「同類の人間の行動や考えについては、同じ仲間ならば簡単に予測、理解できる。」、「ある分野の専門家は、その分野を熟知している。」という意味です[…]
それと同様で、国が違えば表現も異なり、日本では思いもつかない物事が用いられるところに、言葉の面白さや多様性があると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。