「急がば回れ」
という言葉は、日常生活でも時折使われます。
岩波書店「広辞苑」の解説では
「危険な近道よりも、安全な本道をまわった方が結局早く目的地につく意。成果を急ぐなら、一見迂遠でも着実な方法をとった方がよい。」
となっています。
この「急がば回れ」と同じ意味の言葉は、他の国にも存在します。
英語では、二種類の言い方がある!
英語では、同様の意味の言葉が二つあります。
まず一つ目は
「Slow and [but]steady wins the race.」
(ゆっくりかつ[だが]確実な者がレースに勝つ。)
です。
まさしく、日本語の「急がば回れ」そのものと言えます。
一方、二つ目は
「More haste, less speed.」(慌てれば慌てるほど、スピードが遅くなる。)
です。こちらの言葉は、
「慌てたり焦ったりすると良くない。」
という点を強調した表現になっています。
イタリア語では、どう表現するのか?
ところでイタリア語では、「急がば回れ」の意味の言葉はあるのでしょうか?
結論から言えば、あります。
では、どう表現するのでしょうか?
「Chi va piano, va sano e va lontano.」(ゆっくり行く者は、安全に遠くまで行く。)
という言葉があり、英語の一つ目とかなり似た感じです。
また、小学館 和伊中辞典 で「急ぐ」の項目を調べると、「急がば回れ」が紹介されています。
「Più e la fretta minore e la velocità.」(急げば急ぐほど、速度は遅くなる。)
「Chi ha fretta, vada adagio.」(急いでいる者はゆっくり行け。)
の二つです[( )内は私の直訳]。
一つ目の「Più e ~.」は、英語の「More haste, ~.」と似ています。
[参考]va ← andare(行く) piano(ゆっくり)
sano(安全な[に]、無事な[に]) lontano(遠い、遠くに)
fretta(急ぐこと、性急) minore(小さい、少ない、低い)
velocità(速度) adagio(ゆっくりと、静かに)
最後に・・・。
我々現代人は、
「スピード」
「効率」
に対する信仰心のようなものを抱きがちです。
しかし、それが必ず良い結果につながるとは限りません。
とかくイライラしがちな今の時期だからこそ、
「急がば回れ」
の精神に立ち返ってみることが大切かもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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