今から20年以上前、私はワンルームマンションで一人暮らしをしていました。
そこは、ケーブルテレビが視聴可能でした。
私も契約し、視聴していました。
20〜30チャンネルほどあり、全く観ていないチャンネルも多かったです。
ちょこちょこ観ていたチャンネルに、
「トラベラーズTV」
がありました。
名前の通り旅行、特に海外旅行をテーマとした番組が、多数放送されていました。
その中で、たった一つ
「これは海外旅行と全く関係ないだろ?」
と思ってしまう番組がありました。
男性二人が編集室でトークする、異色の生放送!
その番組の名前は
「ぜんタネ」。
2001年(平成13年)にスタートした、毎週土曜日の深夜0:00時からの、2時間生放送番組でした。
それも、ちゃんとしたスタジオではありません。
種々の映像・音響機材が並んだ、編集室の一角のような場所でした。
そこでTVカメラを前に並んで座る、二人の男性。
二人がただただトークを続ける(時々ゲストも呼んでいました)という、絵的には非常にシュールな番組でした。
出演者は、
ぜんじろうさん
種浦マサオさん
のお二人。
関西で人気を博し、東京へ進出するも・・・。
ぜんじろうさんについては、関西出身の方にはご存知の方も多いでしょう。
上岡龍太郎さんのお弟子さんです。
吉本興業のタレントで、同期デビューには東野幸治さんなどがいます。
1980年代末〜1990年代半ばに、大阪の毎日放送(MBS)で放送されていた
MBSヤングタウン(ラジオ)
や、毎週月曜日〜金曜日の深夜に生放送されていた
テレビのつぼ(テレビ)
にメインパーソナリティーとして出演。
一躍、関西で人気者となりました。
その勢いで東京進出するかと思われましたが(東京の番組にも出演された模様)、むしろテレビなどの仕事から遠ざかっていきました。
後から判明しましたが、当時の(現在もあまり変わらないが・・・)テレビの笑いになじめず、疑問を抱いてしまったのが原因のようです。
英語ネタで、世界を武者修行!
その後、何と英語でネタを作り、アメリカやヨーロッパなどでのコメディーイベント・テレビ番組に出演なさっていました。
安定しかけていた日本の芸能界での地位を捨て、ある意味
「茨の道」
に足を踏み入れた感じです。
海外経験が豊富という点では、トラベラーズTVには向いていたのでしょうか。
しかし番組では、海外ネタはあまりありませんでしたが・・・。
本業はミュージシャンだが、ラジオ番組にもレギュラー出演!
もう一人の出演者、種浦マサオさんについては、ご本人には失礼ですが、ご存知の方は非常に限られているでしょう。
本業は、シンガーソングライターです。
ぜんじろうさんの高校の後輩です。
達者なトーク力を買われ、1990年代半ばに上記の
「MBSヤングタウン」
月曜日にレギュラー出演なさっていました。
メインパーソナリティーは、漫才コンビの
ベーブルース
河本栄得さん(1994年逝去)と高山知浩さん(現:高山トモヒロ)
でした。
種浦さんは、ベーブルースのCD
「夫婦きどり」
の作曲を手がけられました。
テレビなのに、ラジオテイスト全開!
そんなお二人が、世の中の色々な事柄につき、しゃべり続ける2時間でした。
テレビ番組というより、ラジオの深夜放送といったテイストでした。
ちなみに、CMは全くありませんでした。
私はお二人のことを、ヤングタウン時代から知っていました。
初めて観てから2年ほどは、ほとんど毎週生で観るか、DVDに録画して観ていました。
『YouTube』を観ていると、ふと・・・。
その後、私は生活リズムなどの変化が重なりました。
そして、「ぜんタネ」から遠ざかってしまいました。
「ぜんタネ」は、2009年(平成21年)まで放送が続いていたそうです。
それから時は流れて、2022年(令和4年)。
地上波やBS・CSのテレビよりも、今やYouTubeの動画番組を視聴する人が多くなっています。
YouTubeのチャンネルでは、2〜3人の出演者がスタジオやどこかの会議室で、様々な話題を話し合うスタイルの動画が、結構多いです。
そうした状況に私はふと、
「これって、昔『ぜんタネ』がやってたスタイルだよな・・・。」
と思い出しました。
YouTubeの先駆け的番組だった?
YouTuberたちは画面構成や画角・音声の調節など、自分でやる人が多いです。
「ぜんタネ」でも、画面切替のスイッチングや音量調整などを、ぜんじろうさんと種浦さんが自らなさっていました。
考えてみると、「ぜんタネ」はYouTubeをはるか前から先取りしていた、
「先駆者」
とも言うべき番組だったと思います。
Web時代を予見したようなフォーマットだと言えます。
最後に・・・。
「ぜんタネ」終了後も、ぜんじろうさんと種浦さんは定期的に、コンビでトークライブやWeb配信番組などを続けていらっしゃいます。
そもそも非常にコンパクトなスタイルなので、お二人が立ったり座ったりしてトークできる場所さえあれば、それでOKです。
大きなスタジオも、大人数のスタッフも、そして豊富な予算も必要ありません。
「ウィズコロナ」の時代には、非常に適しています。
ぜんじろうさんと種浦さんには、これからも引き続き
放送コード
変な意味での中立性
忖度
などの
「大人の事情」
に縛られず、好きなことを好きなようにしゃべり続けていただきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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