日本の「バブル時代」は、平成生まれの若者たちからすれば
「教科書に書いてあった時代」
「テレビで昔の映像を観たが、みんなバカみたいだった。」
というような感想しかないでしょう。
1980年代後半(1986年(昭和61年)12月頃)~1991年(平成3年)2月までが該当します。
バブル時代、絶好調の日本企業はCMに大金を注ぎ込んでいた!
バブル発生の理由などはここでは省略しますが、とにかく景気が良く、社会人(学生は一部を除き、あまり恩恵はありませんでした)は皆お金を持っているイメージがありました。
若手サラリーマンやOLのボーナスが100万円を超えたり、ベンツやBMWがやたら売れたり、不動産や株式がどんどん値上がりしたりと、今では想像できない時代でした。
企業もお金が余って使いきれない状態でした。
大手企業はテレビ、新聞、雑誌などにたくさんCM・広告を打っていましたが、日本の有名人のみならず世界的な有名人(映画スター、ミュージシャン、スポーツ選手など)をCMに起用していました。
今でこそ、そうした人たちがCM・広告に出ていても普通ですが、当時はビックリしたものです。
ただし、そのCMの内容が、はっきり言って「調子に乗っていた」という以外ないものが多かったのです。
現代の若者たちが観ると、確実にドン引きしそうなCMも結構あります。
今回は、その中でも代表的な3本(いずれも日本を代表する企業で、今でも存続しています)をご紹介します。
ホンダ インテグラ(2代目)1989年(平成元年) マイケル・J・フォックス
F1グランプリや二輪GPなどで世界的な知名度を誇るホンダが、フルモデルチェンジしてVTECエンジンを初めて搭載した、2代目「インテグラ」のCMに起用したのは、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で大スターとなったマイケル・J・フォックス。
ギターを鳴らすマイケルと道路を走るインテグラのカットが交互に映り、BGMはヒューイ・ルイス&ザ・ニューズの「The Power of Love」。
ここまではカッコいいのですが、最後にマイケルが日本語で一言、
「かっこインテグラ!」・・・。
ハリウッドスターにダジャレを言わせてしまう所が、調子に乗っていると言わざるを得ません。
車そのものは評価が高かったのですが、このCMのせいで若干
「かっこ悪く」なってしまいました・・・。
三菱電機 「ミラクルショット」、「ミラクルプレイ」 1990年(平成2年)~1991年(平成3年) ジョー・モンタナ
三菱電機は、現在も地味ながらテレビを製造しています。
平成の初め頃、ミラクルプレイというVHSビデオレコーダーと、ミラクルショットというハンディービデオカメラを発売しました。
そのCMキャラクターに、当時NFL(全米アメリカンフットボールリーグ)のサンフランシスコ49ersでプレーしていた、天才クォーターバック、ジョー・モンタナを起用しました。
どちらのCMにも、デビュー直後の牧瀬里穂が、共演こそありませんが出演しています。
ミラクルショットのCMの最後に、モンタナが一言
「ジョー況判断。」 寒い・・・。
ミラクルプレイのCMの最後では、
「どんなモンタナ。」 寒い・・・。
NFLの歴史に残る(後に殿堂入りしました)スーパースターに、寒いダジャレを2回も言わせたのは、当時の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という自信(というより過信)の成せる業でしょう。
武田薬品工業 アリナミンV 1990年(平成2年)~1991年(平成3年)
アーノルド・シュワルツェネッガー
日本トップの薬品メーカー、タケダのロングセラー栄養ドリンク「アリナミンV」のCMに、映画「ターミネーター」でスターとなったアーノルド・シュワルツェネッガーを起用しました。
CMも4~5本作られました。日本では、「シュワちゃん」という呼び名で一気に知名度が上がりました。
そこでシュワちゃんは、「魔人V」として登場。そして、決めゼリフが
「ちちんブイブイ!」・・・。あるいは「だいじょうブイ!」・・・。
後に「ターミネーター2」などでも世界的ヒットを飛ばし、米国カリフォルニア州知事も務めたスーパースターにとって、このCMは「ジャパンマネー」に転んだ証として、ある意味「黒歴史」になっているかもしれません。
おそらく、契約では「米国ではこのCMは放送しない」ことになっているはずですが・・・。
最後に・・・。
バブル時代には、他にも様々なスターたちが多数のCM・広告に登場して、結構な額(のはず)のギャラを稼いでいました。
今思えば、当時の何とも言えないCMセンスから、後のバブル崩壊を予知できなかったものでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。