ネットで見つけた格安物件、やはりいわくつきだった!

このブログでは、不動産に関する記事を時々書いています。

昨今話題の

「事故物件」

ネタも2〜3本あります。

 

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解体後の空き地

 

私自身は、事故物件に住んだことがありません。

しかし、現在住んでいる賃貸マンションの近所には、事故物件がいくつかあります。

有名な事故物件情報サイト

「大島てる」

で、自分の住む地域に事故物件が多いと知る人は、結構多いです。

 

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薄暗い団地の廊下

 

 

引越しを検討、ネットに出ていたある物件が・・・。

私が2年ほど前に経験した出来事は、事故物件絡みでした。

その頃、嫁と二人で引越しを考えたことがありました。

まず、インターネットの不動産サイトで情報を集め、希望条件に合う地域を絞り込んでいきました。

そうしているうちに、ある物件が我々の目に留まりました。

ある分譲マンションの一室なのですが、オーナーが第三者に賃貸している物件です。

2LDKで、築年数も10年未満。

オートロックや光回線など、今どきの設備は大体揃っています。

そして、地下鉄の駅から徒歩3分ほどの好立地。

相場と照らし合わせると、本来なら家賃は月10万円を軽く超えそうです。

ところが、その物件の家賃は

月8万円・・・。

 

『釣り物件』の可能性?

我々夫婦は、安さに驚くと同時に

「もしかして、何かいわく付きの物件では・・・?」

との疑いを持ちました。

二人とも事故物件についての知識はあったので、そういう連想をしたのです。

残念ながら、Webサイトでは詳細は表示されていませんでした。

「お問い合わせや内見などのご希望については、メールにてお願いいたします。」

とのことでした。

我々は

「ひょっとして『釣り物件』かな?」

と思いました。

「釣り物件」とは、条件が良くて既に客が付いた物件や、そもそも存在しない物件などをエサとして表示し、つられて来た客には

「ついさっき、別の方に決まりました・・・。」

などと言って別の物件を紹介する手口です。

しかし、半分興味本位で、一度話を聞きに行こうということになりました。

 

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仲介業者の事務所を訪問。説明を聞いていると・・・。

メールを送り、次の週のある日、不動産仲介業者の事務所に行くことが決まりました。

嫁と二人で事務所を訪ねると、さほど広くはありませんでしたが、ゴチャゴチャしておらず開放感のある、キレイな所でした。

担当の若い男性社員が応対してくれ、早速件の物件の資料を見せてもらうことに。

資料を見ながら説明を聞いていましたが、基本データは当然ながらWebサイトと同じでした。

家賃も、月8万円となっていました。

しかし、資料の途中に

「定期借家物件」

と書いてあるのが気になりました。

 

大家に電話した社員の表情が・・・。

担当の男性社員もそこに気付いて、

「あれ?どういうことだろう?」

と呟いています。

私が

「これって、一定期間しか借りられないということですか?」

と尋ねると、男性社員は

「そういうことです。でも何が理由か、手元の資料では分かりません。大家さんに話を聞いてみます。」

と、その場でオーナーに電話をしてくれました。

我々夫婦は、その様子を黙って見ていました。

電話で話しているうちに、男性社員の表情が段々と曇っていくのが分かりました・・・。

 

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衝撃の事実が発覚!

5分ほどして電話が終わると、男性社員は渋い表情で話し始めました。

「実は、この物件を借りて住んでいた人が、自殺されたらしいんです・・・。」

これには、我々夫婦もびっくりしました。

本物の事故物件だったのです・・・。

「元は、ご夫婦とお子さんの三人家族だったんです。ところが、ご夫婦が離婚されました。奥さんはお子さんを連れて出て行ったので、その後は男性一人で住んでいたそうです。」

嫌な流れになってきた・・・。

「しばらくして、男性は家の中で首吊り自殺しました。」

やっぱり・・・。

「近所付き合いがなくて、仕事も辞めていました。なので、発見されるまでに2〜3ヶ月かかったそうです。」

部屋の中は、大変なことになっていたはず・・・。

「大家さんによると、特殊清掃とかで色々大変だったみたいです。」

でしょうね・・・。

「事故物件になると、次に借りる人にはその事を告知しないといけません。でもそうすると、借り手も見つかりにくいし、家賃もかなり下げないといけません。」

オーナーさんには災難ですよね・・・。

「そこで半年間だけ、相場より安い家賃で誰かに貸すことにしたそうです。その後は、自殺のことも入居希望者に言わなくて済みますし、家賃も相場通りに戻せるから・・・とのことでした。」

面談テーブル越しに、何とも言えない気まずい空気が流れました。

 

結局、どこにも内見に行かず終わった・・・。

男性社員は

「すいませんでした。他によく似たお部屋の資料を、いくつかお持ちしますね。」

と言って事務スペースに戻りました。

5分ほどして、別の物件の資料を持って来ました。

先ほどの事故物件については、一言も触れませんでした。

嫁も私も、説明を聞いてしまった後では、

「さっきの部屋、内見させてもらえますか?」

と言う勇気もありませんでした・・・。

別の物件の資料を5軒分ほど見て、その日はお開きとなりました。

男性社員も気まずかったのでしょう。

無理に他の物件を勧めてくることはなく、内覧に行こうとも誘いませんでした。

 

最後に・・・。

仲介業者の事務所は、件の事故物件から徒歩2分ほどの場所でした。

我々は帰りに、件の部屋のありそうなマンションを探してみました。

しかし、正確な住所やマンション名までは教えてもらっていませんでした。

そのため、どこのマンションかは特定できませんでした。

家に帰ってから「大島てる」を調べてみましたが、マンションの所在地らしき辺りの地図には、事故物件を表す

炎のマーク

が一つも表示されていませんでした。

「大島てる」も全ての事故物件を把握しているわけではないので、そういう例もあるのでしょう。

結局、その後引越しの話は立ち消えとなりました。

現在も同じ所に住んでいます。

「家賃がやけに安い家には、やはりそれなりの理由がある。」

という真実を、身をもって知ったのでした・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

こちらも興味がありましたら、是非お読みください。

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