先日、公示地価が発表されました。
「公示地価」
とは、「路線価」(毎年7月初めに発表)などと並び、日本各地の地価算出の目安となる数字です。
商業地・住宅地とも、地価はコロナ禍の影響が若干緩和され、2年ぶりに上昇しました。
住宅地の不動産は、値段次第で売却可能!
住宅地の不動産は、一般的に商業地に比べ、流動性が高いです。
つまり、売れやすいということです。
新築・中古とも、よほどの高級住宅街や都市中心部のタワーマンションなどでもなければ、億単位の物件はなかなかありません。
最近の東京23区は、例外のようですが・・・。
現在は、日本中で「空き家問題」が深刻化しており、物件数の点だけで言えば
「供給過剰」
の状態です。
値段の折り合いさえつけば(意外と難しいですが・・・)、売却しやすいです。
「欠陥住宅」
「事故物件」
でなければ、何とか買い手は見つかるものです。
『形のおかしい』土地は、売却困難!
しかし、土地や建物に瑕疵がなく、因縁めいた話などなくても、売却しにくい不動産のタイプはあります。
その典型が
「形状がおかしい」
土地(及びその上の建物)です。
一般的には土地の区画は、大体長方形または正方形です。
ただ中には、台形や三角形など、非常に使い勝手の悪い形の土地が存在します。
「どういう経緯で、こんな形の区画になったのか?」
と首をかしげてしまう土地に、不動産関連のお仕事をなさっている方なら、時折出会うはずです。
『旗竿地』は、売却に苦労する!
そうした土地の典型例が
「旗竿地」
です。
前面道路から奥まった場所に土地があり、道路と行き来するための細い道路が延びているという形です。
メインの土地を「旗」、通路を「竿」に例えています。
「道路から奥まってるんで、静かそうでいいよな。」
そうお思いの方がいらっしゃるかも。
しかし、この「旗竿地」は、売却にかなり苦労します。
通路が狭いと、建築などに支障が。車も入れられず・・・。
まず、土地の上の建物を増改築したり、古い建物を解体して新築する際、大変手間がかかります。
車輌や重機類が、通路を通って行かなければなりません。
通路の幅が狭い場合、出入りできないことも。
その家の住人も、自家用車を敷地内に入れられず、家から離れた所に駐車場を借りる羽目になることもあります。
玄関や庭のすぐに前に、他人の家が・・・。
次に、通路部分(「竿」の部分)の横は、他人の土地や建物です。
陽当たりに関して、影響を受ける可能性もあります。
そして、自分の家の玄関前や庭に立つと、他人の家が道路を隔てず目の前にあります。
何となく息苦しい感じになります。
防犯上も問題が・・・。
前述のように、前面道路から奥まっていると静かだ、という考え方もあるでしょう。
確かにそれには一理あります。
しかし、奥まっているということは、人目に付きにくいことの裏返しでもあります。
泥棒や強盗が侵入しようとした場合、外からは不審な人間を見つけられません。
防犯上は、危険度が高いと言えます。
最後に・・・。
私が有担保債権の回収業務に従事していた頃、一軒だけ「旗竿地」の担保不動産を扱ったことがあります。
複数の不動産業者に、任意売却の買い手を探してもらいましたが、大変難航しました。
結局、不動産競売で何とか売却できました・・・。
もし、これから土地を購入しようとお考えの方がいらっしゃったら、値段が安くてもイレギュラーな形の土地は、絶対に買わないことをお勧めします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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