「挑戦状を叩きつける」英語で何と言う?試験に出ない英語手帳(第73回)

「挑戦状」・・・。

スポーツの世界では、時々使われる言葉です。

「昨季王者への挑戦状」といった感じです。

しかし、日常生活ではできる限り、受け取ることも渡すことも遠慮したいところです。

「挑戦状」を

「果たし状」

と読み替えて調べてみると、

大修館書店 ジーニアス和英辞典では

「letter of challenge」

と、そのままに近い英語訳が載っていました。

 

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挑戦状は『渡す』ではなく『叩きつける』?

「挑戦する」

だと、

「try」

「challenge」

「defy」

「attempt」

といった英単語が例に挙がります。

しかし

「挑戦状を渡す」

だと、日本語としては雰囲気が出ません。

相手に挑戦状を

「叩きつける」

と表現した方が、いかにもこれから

「一波乱ある」

という感じが出ます。

「(〜に)挑戦状を叩きつける」

を、英語でどう表現すべきでしょうか?

 

英語では『手袋』が登場する!

英語表現で最も近いと思うのは

「throw [fling, lay]down the gauntlet」

です。

「gauntlet」gˈɔːntlət(米国英語)ˈgɔ:ntlʌt(英国英語)

「(乗馬・バイク用などの)厚手の長手袋」

という意味を持ちます。

「throw down」

「(物を)下方へ投げつける」

という感じです。

「手袋を投げつける」

がどうして

「挑戦状を叩きつける」

になるのでしょうか?

 

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ヨーロッパの昔の伝統が由来!

昔のヨーロッパでは、男性が別の男性に

「決闘」

を申し込む(大抵恋愛絡み)場合、相手の目の前に手袋を叩きつけたそうです。

まさしく

「挑戦状を叩きつけた」

ことになります。

但し、当時の決闘は

「単なる殴り合い」

ではありませんでした。

剣(フェンシングで使われるタイプ)や小型の拳銃で勝負を決するという、命を賭けたものでした。

現代日本のヤンキーたちの

「タイマン」

とは、レベルが違うのでした・・・。

ちなみに、決闘を申し込まれた相手が受けて立つ場合は

「take[pick]up the gauntlet」

となります。

つまり

「手袋を拾い上げる」

わけです。

 

最後に・・・。

オックスフォード英英辞典では

「throw down the gauntlet」は

「to invite someone to fight or compete with you」

(自分と闘ったり競争するように誘う)

と説明されています。

武器を用いた決闘についての説明は、幸いにも全くありません。

21世紀の現在では、当然でしょうが・・・。

私は、手袋を誰かの目の前に叩きつける勇気もなければ、もし手袋を叩きつけられても拾い上げることなく、

「気付かないふりをして立ち去る」

根性なしです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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