今回ご紹介する
「no holds barred」
は、大学受験や英検、TOEICではまず出て来ないはずです。
構成している単語は、とりたてて難しいものではありません。
しかし、簡単な単語から成る熟語ほど、結構難しいものです。
「hold」はここでは動詞ではなく名詞ですが、いくつもの異なる意味を持ちます。
「bar」[bάɚ(米国英語), bάː(英国英語)]はここでは動詞であり、大修館書店 ジーニアス英和辞典では5つの意味が載っています。
一体どういう意味なのでしょうか?
『hold』はスポーツに関係あり!
「hold」[hóʊld(米国英語), hˈəʊld(英国英語)]は動詞では、
「(〜を)掴む、握る」
という意味でよく用いられます。
名詞では
「持つ(掴まる)所、足場」
「支配力、影響力」
「理解力」
などの意味を持ちます。
そして、レスリングで相手の腕や脚の関節を固め、動けなくすることを「ホールド」と呼びます。
上記のジーニアス英和辞典でも、
「[レスリングなど]ホールド」
と記載されています。
『bar』はこの意味で使っている!
続いて「bar」についてですが、動詞でよく用いられるのは
「(〜を)禁止する、妨げる」
という意味です。
ジーニアス英和辞典では、
「bar guns(drinking)」(銃砲[飲酒]を禁止する)
という用例が載っています。
何が禁止されないのか?
直訳すると、「no holds barred」は
「どんなホールドも禁止されない」
となります。
実は、
「with no holds barred」
という表現もなされます。
ジーニアス英和辞典では、「with」の付く表現が出て来ました。
(1)[レスリング]ホールドが許されて
(2)制限なしで、したい放題で
の意味で使われます。
日常会話では、(2)の意味で用いられます。
他の日本語で表現するなら、
「ルール無用の、何でもありの」
という感じです。
この例文のようにはなりたくない・・・。
例文としては
「Johnny’s wife hired a prominent divorce lawyer. Since then,in the court no holds were barred.」
(ジョニーの妻は、著名な離婚専門弁護士を雇った。それ以降、法廷では何でもありの状態となった。)
が、この熟語にピッタリではなかろうかと思います。
実生活では、このような「何でもあり」、「ルール無用」の修羅場には陥りたくないところです・・・。
最後に・・・。
ちなみにブラジル発祥の格闘技で、ルールは最小限、素手で闘う
「バーリ・トゥード」(Vale tudo)
は、ポルトガル語で「何でもあり」という意味です。
何においても、ある程度のルールはないと、不安になってしまいます・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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