全ての物や事柄が、一通りでしか言い表せないことは、滅多にありません。
どんな言語でも、同じ物事に対し、異なる表現がなされる例は無数にあります。
今回ご紹介する
「estremo difensore」
はイタリア語ですが、ある言葉一語と同じ意味です。
本来は定冠詞が頭に付いて
「l’estremo difensore」
となるが、ここでは細かい文法については省略します。
一体、何を表す言葉でしょうか?
あのスポーツに関係あり?
「difensore」
について、スポーツに詳しい方、特にサッカーの好きな方にはピンと来るかもしれません。
あえてカタカナ表記すれば
「ディフェンソーレ」
となります。
「ディフェンス(英語では『defense』に似てるな。)ひょっとして、『ディフェンダー』のこと?」
とお気付きの方、正解です!
いくつか意味があるが、根本は同じ!
小学館 伊和中辞典では、「difensore」は
「防御の、弁護する」
という意味の形容詞、そして
(1)防衛者、擁護者
(2)(サッカーなどの)ディフェンダー
(3)[法律用語](訴訟の)弁護人
という意味を持つ名詞
と記載されています。
名詞の(2)がまさしく、サッカーで守備を主な仕事とするディフェンダーです。
『どんな』ディフェンダーを表す?
では、
「estremo」
はどういう意味でしょうか?
この言葉についても、英語の知識をお持ちの方なら、推理することが可能です。
英語の「extreme」[ekstríːm(米国英語), ɪˈkstri:m(英国英語)]と同じ意味を持ちます。
小学館 伊和中辞典で調べてみると、
「estremo」は
(1)(場所、時間について)末端の、最後の
(2)極度の、はなはだしい、非常な
(3)過激な、極端な
という意味の形容詞として用いられます。
今回は、(1)の意味が適切です。
「estremo difensore」= 「最後のディフェンダー」
です。
サッカーの『守護神』を表す!
これでお分かりでしょう。
サッカーにおける「最後のディフェンダー」と言えば、
「ゴールキーパー」
です。
この「ゴールキーパー」、イタリア語では一語で
「portiere」(カタカナ表記するなら「ポルティエーレ」)
と表現できます。
「porta」(門、扉)を守る
「門番、管理人」
という意味も持ちます。
最後に・・・。
当然ですが、「portiere」と「estremo difensore」のどちらを使っても構いません。
個人的には、「最後のディフェンダー」という言い方の方がカッコいいと思いますが・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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