世の中には
「歴史ファン」(日本史ファン)
の人が、意外と多くいます。
子供の頃からの歴史オタクという、筋金入りの人もいれば、学生の頃は日本史が大嫌いだったのに、大人になってから突然ドハマりする人もいます。
女性が
「私、実は『歴女』なんです。」
と言うと、周囲から急にインテリっぽく見られたりします。
ただ各人、好きな時代・ジャンルは細分化されています。
たとえば戦国時代ファン、明治〜大正時代マニアなど様々です。
『新撰組』は幕末ファンに人気!
ファンが多い時代と言えば、やはり
「幕末」
が真っ先に思い浮かびます。
幕末の代名詞とも呼ぶべき
坂本龍馬
維新の元勲の一人である
西郷隆盛
など、個性豊かな人物が多数登場します。
その中でも特に人気が高いのが、
「新撰組」
及びその隊士たちでしょう。
元々は、浪士(多くは本物の武士ではなく、町人や農民の出身)を集めて組織されました。
京都に上洛した将軍の警護が、主な役割のはずでした。
しかし、後に会津藩主の松平容保(京都守護職も務めていた)の支援を受け、京都で活動する尊王攘夷派の志士たちを取り締まることに。
多くの志士たちを捕縛・殺害して恐れられました。
しかし時代の流れには勝てず、最後は新政府軍との戦いに敗北。
隊士の多くは悲劇的な最後を遂げました。
最後まで徳川幕府に忠誠を尽くした
「敗者の美学」
に心惹かれる人も多く、今までに幾度となく映画化・ドラマ化されてきました。
剣の達人は少なかったが、なぜ強かった?
新撰組と聞くと、
「剣の達人たち」
とのイメージを抱く人が多いのですが、実際はそうとも言い切れません。
確かに
局長の近藤勇
副長の土方歳三
沖田総司
といった有名どころは、かなりの腕前だったそうです。
しかし前述の通り、隊士のほとんどは武士階級出身ではありません。
近藤、土方、沖田と違い、若い頃から剣術修行をしていたわけでもないはずです。
新撰組の武術の訓練は、非常に厳しかったそうですが、そう簡単に普通の武士と互角に戦えたはずもありません。
それでも、勤王の志士たちを恐れ慄かせたのは何故でしょうか?
何か特別な戦法でもあったのでしょうか?
単純極まりない、必勝の戦法があった!
実はある戦法が、新撰組の基本戦法となっていました。
それは
「1人の敵に対して、3〜4人で攻撃を仕掛ける」
というもの。
あまりにも単純過ぎて、ズッコケた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは紛れもない事実です。
多くの書籍でも記述されています。
敵が大人数だと、必ずしもこの戦法は採れません。
しかし、捕らえようとする相手が少人数の場合、大抵の場合は相手の数倍の人数で捕縛に出かけたそうです。
時代劇では絶対できない、『身も蓋もない』戦法だが・・・。
テレビの時代劇では、主人公がたった一人で、大勢の悪人たちを次々とやっつけていきます。
その際、主人公の背後はガラ空きなのに、悪人たちは誰一人、後ろや側面から斬りかかりません。
前後左右から4〜5人くらいで斬りかかれば、主人公も対処のしようがないはずです。
しかしそうなると、クライマックスの場面で主人公が悪人たちに倒され、勧善懲悪のドラマが台無しになってしまいます・・・。
そうした
「身も蓋もない戦法」
が、新撰組の必勝戦法だったのです。
新撰組ファンの夢やロマンを打ち砕くような話です。
しかし、生死を賭けた戦いでは、綺麗事は言っていられなかったのでしょう。
現代日本の、硬派の不良学生からは
「大勢で一人をボコるなんて、汚いよ!」
と非難されそうですが・・・。
最後に・・・。
ちなみに、米国陸軍の精鋭を集めた特殊部隊
「グリーンベレー」
も、ジャングルでのゲリラ戦ではある鉄則の下で戦っていたそうです。
それは
「敵を察知したら、背後から忍び寄り、首などの急所を攻撃する」
です。
いくら腕自慢の精鋭兵士といえども、敵と一対一で戦えば、ある程度のリスクを抱えます。
一番リスクが低い戦い方は
「背後から襲いかかる」
なのです。
国や時代は違えど、
「命がけの状況では、ルールは無用」
なのでしょう・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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