「はんこ」
すなわち印鑑は、日本社会を語る上で大変重要な要素です。
日常生活や仕事、契約などのあらゆる分野で印鑑を押しています。
印鑑の種類も、超高級品からシャチハタ印まで様々です。
「実印」に至っては、役所に登録までしています。
日本文化の一つとして位置付けていいくらいです。
印鑑の煩わしさが、コロナ禍で顕在化!
しかし、行政やビジネスの世界では、印鑑は
「煩わしさ」
の象徴の一つとも言えます。
2020年(令和2年)からのコロナ禍により、
「在宅勤務」
を導入する企業が増えました。
そこで問題となったのが、
「決裁印」
「受領印」
などの慣習です。
数年前から一部では使用されていた
「電子決裁」
が大きな注目を浴びることとなりました。
前デジタル大臣と前コロナ担当大臣が
「はんこ廃止」
を強く主張し、印鑑製造業者の団体から抗議を受ける一幕もありました。
職場では、決裁印をもらうのも仕事の一部!
とは言え、2022年(令和4年)3月現在、印鑑はまだまだ至る所で使われています。
サラリーマン・OLなどの
「勤め人」
は、書類に印鑑(三文判、シャチハタ)を押すのが、仕事のそこそこの割合を占めています。
それと同時に、上司である管理職の
「決裁印」
をもらうため悪戦苦闘するのも、ある意味仕事の一部です。
平社員の場合、一般的には
①課長 → ②次長 → ③部長
という3段階の決裁を受けて初めて、次のステップに移れます。
仕事の内容によっては、たとえば役員などの決裁印も必要になります。
『決裁印を押さない』上司にイライラ・・・。
皆様も、きっと一度は経験がおありではないでしょうか。
なかなか決裁印を押してくれない上司に対し、心の中で
「モタモタしないで、早く決裁印を押して書類を回せ!」
と毒づいたことを・・・。
もちろん仕事の書類です。
誤字脱字や内容の間違いがあったり、程度が低かったり、詰めの甘い内容の書類は、突き返されても仕方がありません。
しかし、世の中にあまた存在する管理職には、上記以外の理由で決裁印を押さない人間がかなりいます。
そうした上司の下で、毎日イライラしながら働いていらっしゃる方も、相当多いでしょう。
管理職は、忙しくても早く決裁すべし!
まず最初に、ただ単に
「仕事が遅い」
そのために机の上に未決裁の書類が山積み、という人が結構多いです。
管理職ともなると、確かに会議や打ち合わせが頻繁にあります。
急に予定が入ることもあります。
その他の雑務も色々あり、部下の書類に目を通す時間を確保するのも一苦労です。
ですが、それが
「管理職の日常」
です。
忙しい中をあれこれとやりくりし、決裁をしていくから
「管理職」
なのです。
指揮命令・人事考課など、特権は責任と背中合わせ!
部下にあれこれ命令・叱咤し、各人のノルマを細かく管理し、人事考課をする権限も与えられています。
そして給与水準が上がり、退職金も増えるのです。
それと背中合わせで、業務が増え責任が重くなるのは当然です。
私を含む兵隊、つまり非管理職の平社員たちも、様々な業務に忙しい中、イレギュラーな仕事を振られたり、雑務のヘルプを押し付けられたりしています。
非常にキツい言い方ですが、管理職の仕事が務まらないと思えば、人事部門に申し出て外してもらう勇気を持つべきです。
『細かい部分にこだわる』上司が、業務の渋滞を起こす!
そして、
「細かい部分にこだわる」
点が、決裁印を押さない管理職の共通点です。
細部をきちんとチェックすること自体、個人的には悪いとは思いません。
しかし、真の意味で
「細部にこだわる」
管理職は、見るべき部分のメリハリがうまいと感じます。
後から問題となりそうな点についてはじっくり見て、大局に影響なさそうな点はサラッと流します。
そうしてテンポよく書類を返してくれたり、さらに上の管理職に書類を回してくれる人は、部下からの人望もあります。
「それ、どうでもいいですよね・・・。」
という些末な部分をあれこれ指摘してくる上司だと、書類の流れが悪くなります。
「業務の渋滞」
を引き起こしてしまうのです。
我々部下の士気も下がり、当然ながら上司への信頼など持てるはずもありません。
『忖度』も高確率で不発・・・。
このタイプの管理職は、自分より上の管理職、経営陣の顔色を窺い、責任をなるべく回避しようとする人がほとんどです。
いわゆる
「忖度」
を得意技とし、全く文句を付けられない形の書類を上げようとします。
中身よりも形式を重視します。
しかし、そうした忖度も、不発に終わる確率が高いのです。
課長に散々直させられた書類が、部長にボコボコに添削された・・・という経験をお持ちの方も多いでしょう。
最後に・・・。
今まで長々と書いてきましたが、結論はただ一つ。
「管理職は、とにかく早く決裁印を押せ!」
です。
決裁しない管理職は、はっきり言って存在意義がありません。
近年、多くの日本企業が
「生産性改革」
に乗り出しています。
しかし
「決裁スピード」
が改善されない限り、たとえデジタル決裁が普及しても、効率など上がりようがありません。
肝心の経営陣が
「決裁印を押さない」
タイプばかりだと、もうお手上げです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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