2020年(令和2年)の一時期、日本各地の企業(大手やIT系がほとんどでしたが・・・)で、
「リモートワーク」
「オンライン会議」
がブームとなりました。
「ZOOM」(ズーム)
というIT企業の名前が、一気に広まりました。
しかし2021年(令和3年)9月になっても、毎日の通勤人口はさして減っていません。
昨年にリモート化・オンライン化に成功したはずの企業の多くが、なぜか職場への通勤というスタイルに戻っているそうです。
「日本人は熱しやすく冷めやすい。」
とはよく言われますが、「鬼滅の刃」に続き「三密回避」までがブームとして消え去ってしまったようです・・・。
日本の会議は外国の会議と大きく異なる!
かくして、多くの企業では再び大人数(少しは調整しているようですが・・・)が一室に集まる
「古典的」
な会議が行われている模様です。
これまたよく比較されますが、日本の会議と外国(特にアメリカやヨーロッパ)の会議は、大きく異なるそうです。
外国では、会議で発言しない人間はやる気がないと思われ、次回の会議からは呼ばれなくなることもあるとか。
大した中身がなくとも、とにかく
「何かを発言する」
ことに必死の人間もいるようで・・・。
一方日本では、ほとんど意見らしい意見が出ないまま会議がお開きになるという経験を、ほとんどの方がお持ちではないでしょうか。
会議とは名ばかり、『上位下達』の場に・・・。
「ピントの外れたことを言って、恥をかきたくない。」
「主流の意見に水を刺すのはためらわれる。」
「そもそも、意見が思い浮かばない。」
など、理由は無数にあるでしょう。
また、大きな要因として
「会議という名ではあるが、実際はトップから下々の者たちへの『上意下達』の場である。」
と言えます。
一応みんなで話し合って、意見を出し合うという体裁ですが、実態はそうではありません。
トップや側近たちの考えは大体決まっていて、それを発表するのが主たる目的となっています。
ゴールへのレールは敷かれており、会議はただの儀式に!
誰かの発言で多少の微調整はなされても、ゴールへのレールは既に敷かれています。
そこから脱線する可能性は、限りなく低いのです。
表立った反論のないまま賛否が問われ、賛成多数(満場一致ということも・・・)でメデタシメデタシ。
世のサラリーマン・OLの大多数は、そうした儀式を苦々しい思いで繰り返します・・・。
偉くなるにつれ、昔の価値観が前面に!
それなら、トップから関係者全員にメールでも一斉送信し、意見のある人間だけ返信するとかにした方が、よほど楽で効率的です。
しかし、トップの人間の多くが、偉くなるにつれ
「時は金なり。」
という格言を忘れ去って行きます。
「やっぱり、大事な事は顔を合わせて話し合わんといかん。」
のような、高度成長期そのままの価値観を前面に出して来ます。
『無駄に話が長い』トップが多過ぎる!
そうしたトップの人間に共通する特徴があります。
「無駄に話が長い。」
という点です。
典型例としては、「東京2020」の3〜4ヶ月前に、女性蔑視発言で組織委員長を辞任した元首相でしょう。
報道によると、ある会議が終わったにもかかわらず、締めのスピーチを40分ほど行ったそうです。
その中で、自らの首を締める件の発言が出たとか・・・。
「『女性は話が長くて困る。』って、お前の方がよっぽど無駄話が長いよ!」
と、参加者たちは怒っていたはずです。
心の中で・・・。
以前いた職場は、やたら会議が多かった!
私が以前所属していた部署では、やたら会議が行われていました。
管理職だけの会議や、課長補佐も含めた会議が、時には急に招集されることもありました。
私はほとんど対象外でしたので、直接被害を受けることは幸いありませんでした。
私がいた課のすぐそばに会議室があり、仕事中に時々室内の話し声が聞こえて来ます。
会議なのに、まるでトップの独演会!
ところが大抵の会議では、ほとんどトップの部長の声しか聞こえて来ませんでした。
部長が特段大声で話しているわけでもなさそうです。
しかし、他の参加者たちが発言している声は、ほとんど聞こえませんでした。
活発な意見交換が行われているとは、到底思えません。
まるで部長の
「独演会」
のようでした。
落語家の独演会なら、所々で爆笑が湧き上がるはずですが、笑い声はほぼ皆無でした。
平均所要時間は、毎回1時間ほど。
会議が終わって部屋から出て来る人たちの目は、死んだ魚のようになっていることが多かったです・・・。
最後に・・・。
こうした類の
「生産性なき会議」
は、現代のビジネス社会では
「犯罪行為」
とみなされても仕方がありません。
オンライン会議が普及しかけた際は、今までの日本の会議のあり方が多少なりとも変わるのでは?と思いました。
しかし、現在そういう気配は全く見えません。
今日もどこかで、トップの人間たちの「独演会」が開催されているはずです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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