最近、SNSを中心に
「親ガチャ」
なる言葉が流行しているようです。
私は最初、どういう意味なのか全く分かりませんでした。
「ガチャ」は、スマホゲームなどで使われる用語です。
料金を払えば(いわゆる「課金」)、ゲーム内で有利になるアイテムなどを入手できる仕組みです。
ただ、どんなアイテムを得られるかは運に左右されます。
「子供は親を選ぶことができない。どのような社会的地位の両親から生まれてくるかにより、子供の人生も左右される。」
という考え方を、「ガチャ」に例えて「親ガチャ」と呼んでいるそうです。
日本社会の事実の一部を、正しく表現している!
この考え方には賛否両論あり、ネット上で論争となっているとか。
個人的には、平成後半〜令和の日本社会における、事実の一部を正しく表現した言葉だと思います。
例えば学歴の面では、有名大学や医学部の学生の親の収入は、一般平均よりかなり高いとの調査結果があります。
東京大学の学生の親の平均年収は、
年収2,000万円程度(!)
と言われています。
医学部進学を希望する受験生の大多数は、国公立大学を志望します。
私立大学医学部の
年500〜600万円(!!)
という授業料を負担できる家庭など、非常に限られているからです。
就活生は思う、『コネが欲しいな〜。』・・・。
親に財力があれば、小さい頃から塾通いし、私立・国立の中高一貫校や大学附属の中・高校に通えます。
普通の子とは、スタートラインが既に違っていると言えます。
そして、大学3年生くらいになると就職活動、いわゆる
「就活」
が本格化します。
その際、非常に多くの就活生が心の底から思うのが、
「大きなコネがあれば、こんな苦労しなくていいのにな・・・。」
でしょう。
『コネ採用』は昔から。しかしコロナ禍で威力増!
2020年(令和2年)、2021年(令和3年)の就職活動は、コロナ禍の影響をモロに受けたはずです。
大多数の学生たちが、悪戦苦闘を強いられたのではと推測します。
こうしたご時世、より威力を増した武器となったのが
「コネ」でしょう。
「コネ」による就職自体ははるか昔から存在し、目新しいことではありません。
例えば政治家の息子や娘が大手企業に勤めている例は、無数にあります。
また、大手企業幹部や芸能人の子供・孫が、マスコミ(テレビ局や新聞社など)に多いこともよく知られた話です。
そうした「コネ」を持つ学生が楽々と内定を手にする一方、何のツテもない学生は、説明会→筆記試験→面接と、何十社も駆けずり回ります。
まさしく「親ガチャ」の結果が、最大限に表面化します。
「我が社は多様性を重視します。個性のある人材を採用したいと考えます。」
と、多くの企業は同じような美辞麗句を並べます。
しかし、そうしたお題目も、多くの就活生には虚しく聞こえます。
テレビ局の『コネ採用』が大っぴらになっている?
先ほども言及しましたが、テレビ局は
「コネ」がものを言う
業界の一つです。
昔から、そのこと自体は何ら変わっていないでしょう。
ただ個人的には、最近のテレビ界はそうした「コネ」を隠すどころか、むしろ大っぴらにしている傾向を感じます。
アナウンサー職は、テレビ局員の中で最も目立つポジションです。
このアナウンサー職に、「コネ採用」としか思えない人が増えています。
大勢の人の眼に触れるので、誰の子供かという情報も、すぐに広まります。
テレビ局が「コネ採用」に後ろめたさを多少なりとも感じているなら、せめて制作や報道の部署で採用するなどの
「工作」
は行うはずです。
本人の希望がアナウンサーだったとしても、それをそのまま受け入れる必要などありません。
テレビ局側の「罪悪感」のようなものは、もはや消え去ったのでしょうか・・・。
昔と違い、今は親も子も悪びれずアピール?
私が20歳代後半くらいまでは、テレビ局のアナウンサーで政治家や芸能人・元スポーツ選手の子供だという人は、例えいたとしてもそれを表に出すことはなかったと記憶しています。
某大物俳優の娘が東京キー局のアナウンサーになった辺りから、
「背後の力」
「大人の事情」
が、はっきり見えるようになってきたと思います。
令和の現在では、そうした人たち本人も、親たちも全く悪びれる様子なく、家族の話をします。
場合によっては、親子共演までしています。
さすがに政治家の場合、親子共演はもちろんのこと、親子ともそうした話題には触れません。
しかし、現代のネット社会では、そうした情報はまず100%明らかになります。
狭き門が『コネ枠』のためさらに狭くなる!
テレビ局、特にアナウンサー職は、女子学生にとって憧れの就職先の一つです(男子学生にもそうかもしれません・・・)。
大学入学直後から
「アナウンスサークル」
「放送研究会」
に所属したり、自費でアナウンススクールに通ったりと、涙ぐましい努力をしている人が多いと聞きます。
そうした頑張りも、強力な「コネ」の力の前では無力です。
東京のテレビ局でも、アナウンサー職の採用は、毎年男女合わせて2〜3人ほどです。
その貴重な枠の一つ(とは限りません)を
「コネ採用枠」
にされてしまっては、ただでさえ狭き門がより狭くなってしまいます。
最後に・・・。
テレビ局志望の就活生も、別の業界を目指す就活生たちも、そうした
露骨に目に見える「コネ採用」
の事実を見聞きして、一体どんな風に思うのでしょうか。
「『親ガチャ』の結果なんだから、仕方がない・・・。」
と、冷静に割り切れるものでしょうか?
あるいは
「世の中なんて、しょせん『コネ』で動いてるんだ。」
と、悟りの境地に達することができるのでしょうか・・・?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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