最近、関西ローカルテレビ局のニュース番組と、全国ネットのニュース番組で、立て続けに
「コロナ禍の最中、高級時計や高級車が売れている!」
といった内容の特集を観ました。
時計が800万円、外車が2,000万円・・・それで?
東京や大阪の百貨店や時計店では、ロレックスやオメガを始めとする外国製高級時計の売れ行きが、大きく伸びているそうです。
紹介されていた中で最高額の商品は、
およそ800万円・・・。
また、東京の高級外車ディーラー(中古車ですが)では、フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーが、次々成約しているとのこと。
中古車にもかかわらず、値段は
大体2,000万円台・・・。
不動産ではなく、自動車です。
特集が終わった後の私と、一緒に観ていた嫁の反応は、いずれも
「ふ〜ん。世の中にはお金持ちが結構いるね。それで?」
というものでした。
バラエティーの『豪邸訪問』と同じ発想?
バラエティー番組で金持ちの豪邸を訪問し、ガレージに並ぶ高級外車や室内の高級調度品などに、レポーターが驚く・・・といった内容は、今でもよくあります。
同じようなことをニュース番組でやって、視聴者に何を伝えたいのでしょうか?
ニュースを観ている人間の80〜90%(我々夫婦も含む)は、間違いなくそうした高級品には手が届くはずがありません。
人によっては、
「我々貧乏人に対するイヤミか?」
と怒り出すかもしれません。
マスコミやスポンサーは、消費拡大を煽りたい?
コロナ以前にも、不景気の最中に
「タワマンやロレックスが売れ行き好調!」
「富裕層が消費を押し上げ?」
のような報道がなされることは、度々ありました。
マスコミやスポンサーの側からすれば、いつまでも物が売れないままでは困るのでしょう。
いかにも
「景気回復の兆しは見えてきてますよ〜。」
的な報道で、視聴者たちの消費心理をかき立てたい本音が見え隠れします。
しかし、それならそれでもっと他の切り口があるだろう?と言いたくなります。
提灯報道につられる人間は、そんなにいない?
どう考えても現時点では買えそうにない高級品が
「売れてますよ!」
と言われても、
「じゃあ自分も買おう!」
となるはずもありません。
グレードを落として50万円の時計や、500万円の自動車を買おうとする人も、どれだけいるでしょうか?
この手の報道がなされる段階では、景気の回復にはまだまだ程遠い状態です。
我々平民も、それくらいのことは重々承知しています。
マスコミの提灯記事に騙されるほど愚かではありません(はず・・・)。
ごく一部の現象を、全体に当てはめられても・・・。
こうした報道とセットのように、ニュースなどでは
「自粛疲れで、人々の消費意欲は高まっている。」
「国民はお金を使う機会がなかったので、強制貯蓄がマグマのように溜まっている。」
などの発言を、エコノミストや解説委員と称する人たちが盛んにしています。
確かにお金に余裕があれば、消費意欲も高まるでしょう。
「強制貯蓄」状態のお金があれば、使いたくもなるでしょう。
しかし、世の中のごく一部だけの局地的現象を、あたかも全体的な現象であるかのように騒ぎ立てられても、個人的には全くそうした実感が湧きません。
最後に・・・。
最初に述べた関西のテレビ番組では、取材した記者は東京のディーラーで、フェラーリの運転席に座って上機嫌でした。
スタジオでは、その記者にゲストの芸能人が
「あのフェラーリ、もう買った?」
と冗談で質問していました。
そこで記者は少し真顔になり、
「普段は軽乗用車の(スズキ)ラパンに乗ってます・・・。」
と、聞かれてもいないことを答えていました。
せっかく視聴者に夢を見せようとしていたのに、この発言で特集の目的がブチ壊しになってしまいました・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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