いつの世も
「不正融資」
絡みの事件は後を断ちません。
大掛かりな事件の中には、金融機関が組織ぐるみで関与している例も時折あります。
しかし大抵の事例では、犯罪者たちが金融機関を騙して、事業の実態がないのに融資を引き出そうと画策します。
コロナ禍に乗じて、融資審査の穴を突いてくる!
2020年(令和2年)からのコロナ禍に伴い、金融機関の融資姿勢も緩くならざるを得なくなりました。
審査の迅速化・融資申込件数の急増から発生する脆弱性、コンピューターに例えれば
「セキュリティホール」
を犯罪者たちは見逃しません。
2021年末〜2022年初め頃までに、そうした事件が次々と発覚し始めるのではないか?と危惧しています。
不正申込案件はデータベース化されている!
以前このブログで
「悪徳税理士の情報は、金融機関が把握している!」
という記事を書きました。
個人にせよ法人にせよ、商売をやっている所で「税理士」のお世話にならない所は、皆無に近いのではないでしょうか。毎年2月中旬〜3月中旬の約1ヶ月間は、「確定申告」の季節です。領収書や帳簿などの資料[…]
その中でも述べましたが、金融機関は独自のデータベースを持っています。
過去に来た不正融資申込の案件や、テレビ・新聞で報道された金融犯罪の情報を、データベース化して蓄積しています。
この手の犯罪に手を染める連中は、一度や二度の失敗では懲りません。
例え警察に逮捕され、しばらくの間塀の中(=刑務所)で過ごしても、また同じ事を繰り返します。
金融機関も、そうしたことは重々承知しています。
データベースに引っ掛かった申込案件は、徹底的に調査されます。
全く別の事例に、同じビルの住所が・・・。
私の勤務先でも、そういったデータベースが当然存在していました。
債権回収の部門ではあまり利用しませんが、それでも必要に応じて検索することはありました。
そんなある日、ふと気付いたことがありました。
「あれ?この事例とあの事例、関与してる人間は違うけど、事務所が同じビルだな・・・。」
オフィス街には多数の営業所・事務所が集まっています。
全く別の事例の営業所所在地が、たまたま同じビルであっても不思議ではありません。
しかし、あるビルの住所で絞り込んで検索すると、およそ10件ほどの不正申込案件が出て来ました。
ここまで来ると、単なる偶然とは言い切れなくなります・・・。
大阪市の繁華街、とある雑居ビルが・・・。
大阪市某所、近所に大きな商店街がある地域です。
電車の駅からも近く、オフィスビルも結構多く建ち並んでいます。
その一角に、ある雑居ビルが建っています。
特に変わった点もなく、ごく普通のビルです。
築30年くらいの、ちょっと古い感じで、各階にテナント(中小企業の事務所)が入居しています。
私はその辺に多少土地勘があったので、
「あのビルだ・・・。」
と思い出しました。
時期はバラバラ、関連は不明だが・・・。
データベースに載っていた各事例は、時期がバラバラでした。
関係者も同じ人物が関与している様子はなく、各事例の関連については全く定かではありません。
しかし、なぜこのビルに入居していた会社の中から、これほどの数の会社が不正融資申込を企んだのでしょうか?
まさか、ビルのオーナーがテナントに不正を指南していたとも思えません。
個人的な推測ですが、もしかしたら賃料が安く、犯罪者たちのダミー企業が入居しやすかったのでしょうか?
詐欺師たちのネットワーク間で
「ワルのトキワ荘」
的な物件として名が知られているのでは・・・。
最後に・・・。
しかし大抵のダミー会社は、そう長くは続きません。
計画が失敗に終わり、首謀者たちがトンズラするか逮捕されてしまえば、事務所はもぬけの殻になります。
「オーナーは、賃料や原状回復費用なども相当取りっぱぐれたのではないか?」
と、他人事ながら心配になってしまいます。
皆様の周囲にも、素性のよく分からない会社が入居していて、テナントの出入りが激しい
「怪しいビル」
はないでしょうか?
もしかすると、そこが不正融資申込企業の拠点になっているかもしれません・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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