現地調査って、大変なんです・・・。

お金や法律などの話(夫)

以前このブログで、債務者の自宅の現地調査について書きました。

遠方の不便な場所が多く、外観からでも生活の困窮ぶりが分かったり・・・と、色々な思いをします。

興味をお持ちの方は、こちらの記事もお読みください。

債務者の自宅訪問から、格差社会の一端が垣間見える。
私は、以前に債権回収の仕事をしていました。 平たく言えば、借金取りです。 借金取りと言えば、映画・ドラマやマンガに出て来る、コワモテのいかつい男性というイメージを持たれがちですが、一部のサラ金やヤミ金を除けば、普通のサラリーマン...

大部分のケースは何事もなく終わりますが、たまに無事終わらず、大変な目に遭うケースがあります。

カメラでの撮影は、思ったより難しい!

有担保債権の場合、例えば法人代表者の自宅や、工場、店舗などが担保になっている場合が多く、新しく自分が担当になった案件については、最低一回は自ら現地に赴き、担保の現状を確認して写真を撮影する必要があります。

安物のコンパクトデジカメを持って現地へ出かけるのですが、他人の家や店をカメラで撮影する姿は、他人の目からは不審者以外の何者でもありません。

人通りの少ない工場地帯や山間部ならやりやすいかと言えば、そうでもありません。通りかかった人にとっては、こちらが撮影している姿が思い切り目立ってしまいます。

むしろ、人が多数行き交う繁華街の方が、不動産・建設関係の業者が写真を撮っていると思われ、気に留められない可能性が高いです。

郊外の住宅地や、田舎の普段よそ者が来ない地域では、冗談ではなく本当に不審者と間違われることがあります。

先輩の一人は、担保物件を色々な角度から撮影していたところ、制服の警察官から職務質問されました。近所の住民が不審に思い、110番通報したそうです。

所有者に見つかって、トラブルになることも!

また、同僚の中には、自宅にいた担保所有者が撮影に気付いて家から出てきたため、走って逃げましたが捕まってしまい、その場でしばらく怒鳴り付けられたそうです。

現地調査の際、何月何日の何時頃そちらに行きますと、わざわざ相手に連絡しません。嫌がって拒否される可能性が高いからです。

担保提供者は、近所の人たちの噂になり、自宅などが競売にかけられるといった評判が立つのを、非常に恐れています。

そのため、調査でカメラ撮影を伴う場合は、神経を使います。

昔、私が現地調査に行った際、担保物件である目的の一軒家のすぐそばで、主婦らしき女性たちが3~4人で立ち話をしていました。

携帯電話をチェックするふりをして、しばらく様子を見ていましたが、一向に話の終わる様子がありません。仕方なく、周囲を5分ほどブラブラ歩いてから戻ってくると、誰もいなくなっていたので、慌ててカメラを取り出すと、素早く撮影し、その場を後にしました。

所有者の協力が得られる場合もある。

別の案件で、ある担保物件の調査に行ったのですが、その物件は賃貸物件で、薬局に個人医院、学習塾や事務所などがテナントとして入居していました。

そのため、色々な人が引っ切りなしに出入りします。少し離れた場所から撮影しようと思っても、どうしても目立ってしまいます。しばらく周辺をウロウロして戻ってきましたが、まだ人が出入りしています。

今日はあきらめようと思い、帰りかけると、物件の所有者が車で帰って来ました。一度面談して顔を覚えていたのです。

思い切って声をかけ、写真撮影のために来たが、人通りが多いので今日は帰りますと告げました。すると所有者の人は、

「時間はあるから、建物の中も案内します。写真も好きなだけ撮ってください。自分がいない時に来られて、近所に変な噂を立てられるよりマシです。」

と言い、建物の外観や内部の写真撮影に協力してくれました。空いている部屋にも入れてくれ、撮影させてもらえたので、助かりました。

テナントビルのオーナーは、やはり近所の目を気にしているのだと実感しました。

無担保債権の現地調査も楽じゃない!

一方、無担保債権では、写真撮影できなくとも特に問題はありません。

しかし、裁判所へ訴訟を申し立てたが、相手方(被告)に訴状が届かず、現地調査を行う場合、本人と会えなければ近隣の住民に聞き取りし、その内容を裁判所への報告書にまとめる必要があります。

2005年(平成17年)に個人情報保護法が施行される以前は、割と色々答えてくれる近所の人が多かったのですが、それでも中には露骨に警戒感を示し、何の目的かを執拗に尋ねて来る人もいました。確かに、自分がその立場だったら警戒します。

「○○さん宛の郵便が返戻されたので、様子を見に来ました。」

と、具体的な内容(当然、裁判のことなど言えません)を言わずに聞くので、やむを得ないことではあります。

先輩から聞いた話では、調査に行った先のマンションで、部屋の電気・ガスのメーターが動いていないか顔を近付けて見ていると、同じ階の住人に見つかり、不審者扱いされたことがあるそうです。

隣人に尋ねるのも度胸が必要!

一度、一般に「ガラが悪い」と言われる地域に現地調査に行った時のことです。

小さなマンションの一室を訪問しましたが、相手は留守のようでした。やむなく、隣の部屋の人が在宅なら話を聞こうと思い、呼び鈴を鳴らしました。

するとドアが開き、上半身は肌着のシャツ一枚の中年男性が出て来ました。

頬がこけた感じで、どこか病気になっているような雰囲気です。

内心ビビりながら尋ねると、

「住んではいるようですけど、付き合いはないんで詳しいことは分かりません。帰ってくるのも遅いみたいですよ。」

と、親切な口調で答えてくれました。

両腕が剥き出しでしたが、注射痕はなかったので、ホッとして礼を述べて立ち去りました・・・。

最後に・・・。

ここまで色々書いてきましたが、現地調査には他にも様々なハプニングがあります。警察のような権力・権限のない、一債権者に過ぎませんので、調査には限界があります。不審者扱いされることもあります(最近では、下手をすると変質者扱いされるかも・・・)。担当者はそこを何とか工夫し、できる限りの情報を集めようとするのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。