個人にせよ法人にせよ、商売をやっている所で
「税理士」
のお世話にならない所は、皆無に近いのではないでしょうか。
毎年2月中旬〜3月中旬の約1ヶ月間は、
「確定申告」
の季節です。
領収書や帳簿などの資料を、直前になって慌てて税理士事務所に持っていく事業主・企業も多いとのこと。
最近は、税理士が社会保険労務士や中小企業診断士の資格も取得し、経営・労務のコンサルティング業務も手掛けることも増えています。
金絡みの職業の宿命?中には『悪徳税理士』も!
しかし、そうした前向きな話題ばかりではありません。
巷によくある脱税事件の中には、税理士が指南役として暗躍している事例が時々あります。
また、様々な補助金などの申請に絡み、多くの不正申請案件の黒幕が税理士だった、ということもあります。
2021年(令和3年)も、コロナ関連の給付金不正受給事件で、ある税理士法人が窓口となっていたことがマスコミで報じられました。
金絡みの職業の宿命かもしれませんが、警察のお世話になる
「悪徳税理士」
は残念ながら一定数存在します。
また、金融機関に虚偽の決算書類や証明書類を提出して、融資を引き出そうとする
「不正融資」
申請案件(実際はほとんどが未遂に終わりますが・・・)は昔からあり、今も後を絶ちません。
金融機関では、疑惑の税理士をデータベース化!
そうした不正案件の一部に税理士が関与していることは、金融関係者の間では常識です。
もちろん、そうした不届き者の税理士は、全体のごく一握りです。
ごく少数の連中が、繰り返し不正な融資申込に関与するのです。
融資する側の金融機関も、ただ手をこまねいているわけではありません。
民間も政府系も、全国の金融機関は独自の情報データベースを有しています。
その中には、不正申込への関与が疑われる税理士の情報も含まれています。
あくまでも個々の金融機関の、支店間でのネットワークですが・・・。
日本全国に『問題税理士』はいる!
各都道府県に
「問題税理士」
は存在します。
そして、顧客の個人事業主や法人に、いかにして融資を引っ張るかをアドバイスするのです。
融資を引き出せた暁には、一定の金額を手数料として受け取るそうです。
中には、税理士の本業そっちのけでそうした
「裏コンサル業務」
がメインになっている税理士もいるとか。
金融機関は、不正の特徴まで把握。関与案件は徹底チェック!
ただ、それらの税理士の名前は、提出された決算書類や過去の確定申告書類に載っています。
金融機関は、税理士の名前や事務所所在地などをデータベースに登録します。
不正の手口(会計操作のやり方、書類の偽造方法など)にも、人それぞれの特徴・パターンがあり、それらも把握します。
怪しい税理士が関わる案件の全てが不正案件というわけではありません。
しかし、関わっている申込案件は、全て金融機関内部での厳しいチェックを受けることになります。
れっきとした犯罪だが、刑事告発はまれ!
不正が判明すれば、当然融資など受けられるはずもありません。
ただ、ほとんどの金融機関は、はっきりと
「不正申込なので、融資はできません。」
とは言いません。
「総合的に審査した結果、今回はご希望に沿えません。」
というような、お役所的な説明になります。
私文書や公文書の偽造・改竄は、れっきとした犯罪となります。
しかし、金融機関が実際に損害を被らなければ、刑事告発することは滅多にありません。
金融機関にはメリットがなく、捜査協力などの手間がかかるだけですから・・・。
マスコミを騒がせる大事件とならなくとも、不正に融資を受けようとする事例は、実は結構多いのです。
ほとんどが事前に食い止められているだけのことです。
最後に・・・。
金融機関は他にも
「不良弁護士」
「反社関係者(及び企業)」
などのデータベースを整備しています。
昨年2020年(令和2年)からのコロナ禍にあって、混乱のドサクサに紛れてお金を引っ張ってやろうという人間は、山ほどいるはずです。
そうした連中に騙されないため、各金融機関のデータベースは今もフル稼働しているのではないでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。