2020年(令和2年)に始まり、今なお世界中に影響を与えている
新型コロナウイルス
は、社会の形も大きく変えました。
「ソーシャルディスタンス」
「リモートワーク」
など、人同士が一定の距離を取るのが、半ば常識となりました。
マスクも、今では日常生活に欠かせません。
債権回収も接客業。コロナ対策に苦心?
飲食業や観光業などのサービス産業、すなわち
「接客業」
にとって、
接客の形態がガラッと変わることは、大きな影響となりました。
そして、接客業の一種でもある
金融業界
も、そうした変化への対応を迫られています。
特に
債権回収
は、今までのやり方のままでは難しいでしょう。
お金を「貸す」分野であれは、顧客も金融機関などのコロナ対策には、協力的な姿勢になるはずです。
一方、お金を「取り立てる」分野では、債務者・連帯保証人などの協力はあまり期待できません。
債務者たちと面談するにも、細かい対策が必要!
他の記事でも書きましたが、債務者たちに面談依頼の文書を送っても、無担保債権の場合は面談できる確率が低いです。
まして、コロナ禍という非常事態であれば、その確率はさらに下がるでしょう。
そして、運良く面談に来てもらっても、債権者の側も様々なコロナ対策を講じる必要があります。
面談用ブースでも、テーブルの真ん中にアクリル板などを置いたり、アルコール消毒液を備えるのは当然となります。
面談が終わる毎に、テーブルを拭いたりも必要です。
ただ、そうなると書類の記入・捺印などの一つ一つが、手間のかかる作業となります。
返済督促の面談が、よりストレスの強いものに!
元々、狭いブースの中で、一対一でお金の話をすること自体、どちらにとっても愉快なことではありません。
それがコロナ禍により、よりストレスの強い作業となりました。
債務者の中には、マスクを着けずにやって来たり、話を延々長引かせて、嫌がらせをしようとする人がいるかもしれません。
どの金融機関や金融業者も、
「マスクの着用にご協力願います。」
のような貼り紙はしているでしょう。
しかし、
「あんたらが来いと言うから、わざわざ来た。マスクなしじゃ話ができないというなら、帰ってもいいよ。」
などとクレームを付けて来る人間もいそうです。
いくらアクリル板を挟んでいても、密室に近い状態でマスクなしの債務者たちと面談するのは、回収担当者も不安でしょう。
担保売却の話は長丁場に!心理的負担が・・・。
有担保債権の回収をしていると、呼んでもいないのに、担保所有者である債務者や連帯保証人が、アポなしで突然来ることはよくあります。
自分の不動産が売却されるかもしれない状況では、コロナ禍の最中でも、直談判に行こうという人は多いはずです。
そういった場合、話が短時間で終わることはほとんどありません。
2時間くらいの長丁場になる覚悟が要ります。
相手がマスクを着用していても、不安になります。
もしマスクなしでやって来たとしても、追い返すわけにもいきません。
回収担当者にとっては、心理的負担が著しく高まることでしょう。
最後に・・・。
2021年(令和3年)11月現在、全国のコロナ新規感染者数は、ピーク時に比べて激減しています。
債権回収の現場では、今まで控え気味だったであろう督促も、本格的に再開されるのではないでしょうか。
不動産競売や任意売却による担保処分も、今後は話が進んでいくと予想されます。
しかし、年末年始辺りには、コロナ「第6波」がやって来る可能性が高まっています。
そんな状況下で債権回収を進めるのは、大きな労力を要するでしょう。
「ディスタンス」
「オンライン」
とは縁遠い仕事ですが、債権回収に携わる方々の努力が実ることを願うばかりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。