皆様は最近、コンビニスイーツに詳しくなっていませんか?
普段は滅多にコンビニに行かないのに・・・。
あるいは、全国の名産食品に興味が高まっていませんか?
ほとんどの都道府県は、一度も訪れたことがないのに・・・。
そうした傾向に該当する方は、いわゆる
「ステマ」
に影響を受けているはずです。
『見えない広告』で視聴者にアプローチ!
ご存知の方が多いでしょうが、「ステマ」とは
「ステルス・マーケティング」(stealth marketing)
の略語です。
アメリカの戦闘機に
「ステルス戦闘機」
という戦闘機がありますが、特殊な機体の形状や塗装などにより、敵の防空レーダー網をかいくぐることが可能です。
「ステマ」は、視聴者に広告(CM)だと認識されないような外見を備え、広告には関心のない(録画番組のCMは飛ばすタイプ)人にも自分たちの広告を観させようとするのです。
数年前から既に知られているが、最近はむしろ堂々と?
5〜6年ほど前には、既にマスコミでも取り上げられていました。
そしてインターネット経由で、我々一般人にも「ステマ」は知れ渡っていました。
にもかかわらず、「ステマ」は滅びていません。
それどころか、テレビだけでなくネット・SNSにも拡大し、生き残っています。
手口も巧妙化していたのですが、最近はむしろ「ステマ」であることを隠す素振りもなく、
「堂々とやっている」
としか思えない番組が増えています。
何かの壁を突き抜けた感じで、ほぼ
「タガが外れた」
ようです。
番組丸ごと『ステマ』と化している!
毎日ゴールデンタイムに限らず、朝や昼〜夕方の番組でも
「○○の売れ筋ランキング!」
のような特集・コーナーが組まれています。
そして、店舗や企業の関係者がコメントしています。
有名料理人がコンビニやファミレスのメニューを評価する
芸能人が大手外食チェーン店の人気メニューを食べて順位を当てる
といった番組は、今やどこのテレビ局でもやっています。
以前から疑問・違和感を感じていらっしゃった方も結構多いはずですが、こういうパターンの番組も紛れもなく「ステマ」です。
番組の中にさりげなく「ステマ」的な要素を混ぜ込む、というレベルではありません。
一本の番組そのものが丸ごと
「大がかりなステマ」
と化しています。
1〜2時間ほどの放送時間をフルに使い、企業の宣伝を出演者総出でやっている形です。
有名芸能人が、ファミレスやコンビニのメニューを絶賛?
例えば全国各地の「ご当地名産品」などであれば、
「芸能人ならあちこちロケにも行くし、地方の食べ物とか色々知っててもおかしくないよな。」
と思えます。
しかし、安さが売りのファミレスや回転寿司、コンビニの弁当やパスタなどをあれこれ語られても
「あんたら、普段そんなの食べたりしてないだろ?」
と思ってしまいます。
女性アナの『ステマ騒動』は、まだ可愛いレベル?
今年の春頃だったでしょうか。
東京の某Fテレビの若手女性アナウンサーたちが、特定のファッション・宝飾ブランドから商品を提供され、それを自分たちのSNSで紹介(=宣伝)していたことが大問題となりました。
現場から外され
「干された」
人も複数いるようです。
しかし、各局の番組の「あからさま」加減に比べると、まだ可愛いものとすら感じてしまいます。
東京だけでなく、地方でも同様の傾向が!
こうした傾向は、今では東京キー局だけに限らないはずです。
関西のテレビ局でも、同じようなパターンの「ステマ」番組やコーナーが急激に増えています。
コロナ禍が長期化しており、グルメ番組などのロケ・取材がほとんどできなくなったのが、やはり大きな要因でしょう。
また、昔と違いテレビ局と言えども、制作費がかなり削減されているのはよく聞く話です。
そうした状況下において、企業や店舗との
「タイアップ」
的な番組は、テレビ局には非常にありがたい形なのでしょう。
もちろん、協力する企業や店舗にとっても、願ってもない話です。
普通にCM枠を買って、CM映像を作る必要がありません。
そして、様々な芸能人が宣伝してくれるのですから・・・。
最後に・・・。
しかし、私がわざわざ言うまでもありません。
多くの視聴者は、そうした作り手側の思惑など既にお見通しです。
テレビ番組の視聴率はどんどん低下し、2桁を超えると
「良い方」
という状態に陥っています。
視聴者が加速度的にテレビ離れしていることの、分かりやすい証でしょう。
テレビ番組をDVDで録画していれば、CMはスキップできます。
YouTubeでも、広告をスキップできるコンテンツはまだ多いです。
ですが、テレビ番組自体がCMとなってしまえば、スキップすることはすなわち
「視聴しない」
ことです。
特に若い世代は、その選択を躊躇なく実行してしまいます。
そう近くない将来、テレビは本当に
「オワコン」
になってしまうのでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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