皆様は、お住まいの地域の
「ローカルテレビ局」
をどのくらいの頻度で視聴なさっているでしょうか?
ローカル局と一口に言っても、局の規模は大きく異なります。
北海道、宮城県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県といった各地方の主要都道府県では、NHK以外の民放が少なくとも2〜3局はあります。
規模の小さい地方局は、自前の番組を作る金も人も・・・。
そうした地方局は、東京のキー局の系列に加入しており、東京制作の番組を多く放送しています。
それだけでなく、自局で制作した番組(朝の情報番組、夕方のニュース番組、深夜のバラエティー番組など)も放送しています。
一方、それ以外の地方局は、自前の番組を作る資金や人材に乏しいのが現状です。
そのため、ドラマの再放送やテレビショッピングを一日中流しています。
『KBS京都』は、テレビとラジオの両方を放送!
京都にあるテレビ局
KBS京都
は、東京のキー局の系列に入っていません。
昔、まだテレビが地上デジタル放送でなかった頃は、メジャー局の放送電波帯
VHF
ではなく、大都市圏以外のローカル局が使う電波帯
UHF
でした。
地方のローカル局には珍しく、テレビとラジオの両方を放送しています。
ラジオについては、独自制作の番組がほとんどです。
しかしテレビについては、上記のように日本のドラマ(主に時代劇)の再放送や韓流ドラマ、通販番組や他地方のローカル局の番組がほとんどです。
『京bizX』は、生放送の経済番組!
しかし、数は少ないながらも、自局制作の番組も放送しています。
その代表と言える番組が
「京bizX」
という番組です。
毎週金曜日21:00〜22:25(85分)の生放送です。
ビジネスの「biz」が番組名にある通り、京都府内の中小企業、京都ビジネス界の新しい取り組みなどを紹介するのがメインの
「経済番組」
です。
ただ、お堅い内容ばかりではありません。
京都の美味しい飲食店を紹介する
「マチネタ」
京都企業のユニークな新商品・新製品を取り上げる
「スグレモノ」
など、気楽に楽しめるコーナーもあります。
『8minutes』は8分ちょうどのインタビュー!
そして、この番組の名物コーナーが
「8minutes」(8ミニッツ)
です。
芸能界やスポーツ界、経済界など様々な分野からゲストを招き、インタビューするコーナーです。
大きな特徴は
「放送時間がちょうど8分」
という点です。
録画の場合もありますが、生放送のスタジオに招く場合も多いです。
インタビューが8分以内にうまく収まるか、観ている側もドキドキします。
放送開始は2007年。曜日・放送時間・タイトルも変遷!
この番組は、最初は
「京biz」
として、2007年(平成19年)4月〜2008年(平成20年)3月まで放送されていました。
毎週火曜日21:25〜21:55の30分番組でした。
続く2008年4月〜2011年(平成23年)3月までは、タイトルが
「京bizW」
となり、毎週金曜日21:25〜22:25と曜日が変わりました。
放送時間も60分に拡大されました。
2011年4月〜2016年(平成28年)3月は、またもタイトルが
「京bizS」
に変わり、毎週金曜日21:00〜22:00の60分放送となりました。
2016年4月からは、現在の「京bizX」となりました。
私は『京bizS』から観始めた!
私が「京biz」の存在を知ったのは、「京bizS」が始まった頃でした。
他のチャンネルの番組がどれも面白くなかったので、半ばヤケ気味にKBSにチャンネルを合わせたところ、偶然この番組を発見したのでした。
それ以来、毎週録画して観るようにしています。
キャスター陣は長年出演!
メインキャスターは、「京biz」時代から出演なさっている
竹内弘一さん。
2000年(平成12年)4月〜2021年(令和3年)3月まで、KBS京都のアナウンサー・記者でした。
今年4月からフリーに転身されましたが、KBSテレビ・ラジオの番組には引き続き出演なさっています。
また、今年4月にはご本人の母校、同志社大学の大学院に入学。
キャスターと大学院生という二つの顔をお持ちです。
「京bizS」から竹内さんとコンビを組んでおられたのが、KBSアナウンサーの
遠藤奈美さん。
現在は、育児のため産休中です。
若手出演者も、実力十分!
2020年(令和2年)10月からパートナーを務めていらっしゃるのが、
タレントの
池田琴弥(ことみ)さん。
関西のテレビ番組などで活躍なさっています。
池田さんは、中学生向けファッション雑誌「ニコラ」のモデル出身。
同期には、能年玲奈(現:のん)さん、西内まりやさんがいます。
そして「マチネタ」のロケや「スグレモノ」の説明を担当なさるのが、タレントの
羽田(はだ)優里奈さん。
学生時代に、大阪の今宮戎神社の「福娘」に選ばれたことがあります。
大学卒業後は、関西のテレビやラジオに出演。
池田さんも羽田さんも、テレビ局のアナウンサーではありません。
しかし、番組内でニュースを読む際や、商品などの説明をする際に、
噛む
ことがほぼありません。
最近は、本職のアナウンサーが結構噛むことが多く、レベルが低下していますが、お二人はプロを凌ぐ実力の持ち主です。
羽田さんは元々アナウンサー志望で、学生時代は週末に夜行バスに乗り、東京のアナウンス学校に通われていたそうです。
コメンテーターは、週替わりで多彩な人が!
また、毎週コメンテーターが出演しますが、週ごとに違う人が登場します。
定期的に登場なさるのは
プロゴルファーの水巻義典さん
堀場製作所会長の堀場厚さん
元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さん
などです。
京都のテレビ局ということもあり、現京都府知事や前京都府知事、現京都市長も時々コメンテーターとして出演。
個人的には、政治家の話はつまらないので、呼ぶ必要なしと思うのですが・・・。
単なる宣伝番組でなく、キャスター自ら取材に!
この番組の素晴らしい所は、単なる
「企業宣伝」
「商品宣伝」
に終わっていない点です。
「ビジタネ」というコーナーでは、京都の中小企業の中で、
独自の発明や技術を持っている会社
ニッチ(すき間)分野で全国有数のシェアを誇る会社
などを紹介しています。
キャスターの竹内さんや遠藤さん、池田さんが自ら取材に出向き、社長にインタビューなさったり、オフィスや工場などの内部を見て回られます。
民放大手局の番組では、そうしたスタイルはほぼ皆無です。
知名度は低くとも、驚くような技術や生産システム、ユニークな就業制度などを持つ会社が多いのを知ると、
「日本の産業は斜陽と言われるが、まだ望みはあるな。」
という気持ちになります。
大阪のテレビ局が『京bizX』のネタを後追い?
「マチネタ」でも、地元局ならではの情報網で
隠れた名店
これから流行りそうなお店
を多数紹介してきました。
「マチネタ」で紹介されたお店が、3ヶ月ほど後に大阪のテレビ局の番組で紹介されるという
「後追い現象」
も起きています。
WBSよりも内容のレベルは上!
番組全体のレベルで言えば、テレビ東京系の
「ワールドビジネスサテライト」(WBS)
より高いと言っても、言い過ぎではないと思います。
「京bizX」の方が、ビジネスのヒントになりそうなネタを多く提供していると感じます。
唯一の難点は、前述の通りコメンテーターに、現・前の府知事や京都市長などの政治家が出て来る点です。
他にもっと気の利いたコメント、ためになるコメントを言える人は沢山いるはずですが・・・。
最後に・・・。
残念ながら、KBS京都を視聴できるエリアは、
京都府・滋賀県・大阪府・奈良県の一部・兵庫県の一部
に限られています。
関西地方以外にお住まいの方は、京都近辺に仕事や観光などでお泊まりの際、
金曜日夜9時には、5チャンネル
をご覧いただきたいと思います。
また、視聴可能エリアにお住まいで、「京bizX」をご存知なかった方にも、是非ご覧いただきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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