今を去ること40年ほど前は、テレビドラマで
「刑事ドラマ」
が花盛りでした。
名作が次から次へと放送され、各局とも看板番組を持っていました。
「刑事ドラマ黄金期」
と呼んでいいでしょう。
日本のテレビドラマには様々なジャンルがありますが、今までに多くの作品を生み出してきたのは「刑事ドラマ」でしょう。今までに数多くの名作が放映されてきました。最近でも数こそ減ってはいますが、各テレビ局で刑事ドラマ[…]
今では信じられないくらいの予算を注ぎ込み、国内はもちろん海外ロケもかなり行われていました。
道路などの使用許可も、現在よりかなり甘かったのでしょうか。
カーアクションも、令和の世の中では絶対に無理だろう、と思う過激さでした。
伝説の名作『特捜最前線』はオープニングも良かった!
私が今でも大好きな刑事ドラマの一つが
「特捜最前線」(1977年(昭和52年)〜1987年(昭和62年))
です。
アクションを売りにせず、銃撃シーンもほとんどありません。
ストーリーで勝負するタイプのドラマでしたが、10年に及ぶ長寿番組となりました。
それでも、現代の刑事ドラマよりはアクションシーンが多く、出演者たちが体当たりで臨んでいる様が、視聴者にも伝わってきました。
オープニングでは、故・二谷英明さん演じる神代(かみしろ)警視正(特命捜査課長)を筆頭に、特命課の刑事一人一人が紹介されます。
10年間の間に、それほど刑事の入れ替わりは多くありませんでしたが、オープニングは数回(7〜8回ほど?)更新されました。
どの刑事のシーンも、結構凝った作りとなっていました。
数秒のシーンで、爆発が?
その中でも、最終バージョンのオープニング(1985年(昭和60年)10月〜1987年(昭和62年)3月)は、我々が今観ても
「無茶してるな〜!」
と驚いてしまうほどです。
故・夏夕介さん演じる叶(かのう)刑事のシーンでは、夏さんが車の左側から、ボンネットをジャンプして飛び越えます。
それだけなら普通なのですが、飛び越えた直後に、背後でかなり大きな爆発が起こります。
当時のことですから、CGではなく、本物の爆薬を使っているはずです。
タイミングがほんの少しでもズレれば、夏さんが大怪我をしてもおかしくありません。
ドラマ本編中のシーンならまだしも、オープニングのわずか数秒のシーンです。
我々視聴者としては、
「エライことしてたな〜・・・。」
と絶句しそうになります。
スタントなしで港から水中にジャンプ!
ところが、それだけでは終わりません。
最後に藤岡弘、さん(当時は藤岡弘)演じる桜井刑事のシーンでは、港の岸壁に車が停まっており、藤岡さんが降りて来ます。
そしていきなり、スーツの上着を脱ぎ捨てると、そのまま水中に飛び込んでしまうのです。
ワンカット撮影であり、スタントによる吹き替えではありません。
本当に藤岡さんが飛び込んでいます。
今までの刑事ドラマで、こんなオープニングの紹介シーンはなかったはずです。
「一体どんなシチュエーションなんだ?」
と思うと同時に、
「やっぱり藤岡さんは熱い男だよな〜!」
と、妙に納得してしまいます。
ご両人とも、快諾した可能性?
夏さんも藤岡さんも、このシーンの説明を受けた時、どう思われたのでしょうか?
ただ、お二方ともゴネたりせず、
「やりましょう!」
と快諾なさっていた可能性が高いと思います。
もしかすると、自らそうしたシーンのアイデアを提案なさったのでは・・・。
最後に・・・。
藤岡さんは番組開始時から(途中お休みの時期あり)、夏さんは4年目頃から、最終回まで出演なさっていました。
そして、数々の主演回で熱演・名演を披露なさっていました。
お二方の「特捜最前線」にかける熱意の集大成が、このオープニングシーンだったのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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