イギリス英語に、「home and dry」という熟語があります。
昔、元ボクシング世界チャンピオンのガッツ石松さんが、
「Spring has come.」(春が来た。)を「バネ持って来い。」と訳したという、嘘か誠か分からないネタが、テレビで話されていました。
同じような感じで訳せば、
「家でドライを飲む」(ドライ=アサヒスーパードライビール)
となりますが、もちろん正解ではありません。
前向きな意味を持つ言葉!
「home(家、家にいる)」も「dry(乾いた)」も至極簡単な言葉ですが、組み合わさって熟語になると、意味が複雑になってしまいます。
訳語としてはいくつかあり、
① (目標達成が目前で)安心する、目的を達成する
② (勝利や成功が)疑いなしの、確実な
③ 大丈夫で、安心で
④ 目的を達成して、無事成功して
などです。
ビールでも飲みたい状況を表す?
ちなみに、Cambridge(ケンブリッジ)英語辞書では
“to have successfully finished something” と現在完了形で表現されています。
その点では上記④が最も近いかもしれません。
やるべきことを成し遂げたので、安心して家に帰って、ドライを飲んで一息つく、というイメージで覚えると、記憶に残りやすいかもしれません(笑)。
人気ポップデュオの曲のタイトルに!
この「home and dry」 を知ったのは、イギリスのポップデュオPet Shop Boys(ペット・ショップ・ボーイズ)の、8枚目のアルバム「Release(リリース)」(2002年)の1曲目に収録されている「Home and Dry」がきっかけです。
仕事で世界中を飛び回る恋人(おそらく)がそばにいないことを寂しく思いながらも、彼または彼女が無事に仕事を成功させ、無事に(安全に)戻って来ることを願う気持ちを歌っています。
歌詞の中にアメリカのJFK空港が出て来ることから、相手は飛行機で各国を駆け巡っているという感じが窺えます。
最後に・・・。
ただ、ここに出て来る二人(恋人同士)が、男と女だとは限りません。
ヴォーカルのニール・テナントは、ゲイ(同性愛者)であることを公言しています。
もしかすると、男性が恋する男性の無事な帰りを待つ、というイメージを基に作られた曲なのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
興味がございましたら、こちらもお読みください。
「dodecagon」、日本語カタカナ表記では「ドデカゴン」。決して怪獣の名前ではありません。研究社 新英和中辞典によると、「十二辺形」または「十二角形」という訳です。 [adcod[…]