こんにちは。husband(@kumafumoblog)です。
私は小学生の頃からの心霊・怪奇ファンです。
このブログでも「怪談・都市伝説etc」というカテゴリーを設けて、11本の記事を書きました。
また、マンガに関する記事も半分超が心霊・怪奇ものです。
心霊・怪奇マンガの分野では、やはり楳図かずお先生とつのだじろう先生は二大巨頭と呼んでも差し支えないでしょう。
ご両人の作品については、このブログでもいくつかご紹介してきました。
二作品をご紹介した山岸涼子先生についても、この分野ではとてつもなく怖い作品を多数書かれています。
また、このブログで作品紹介こそしていませんが、御茶漬海苔先生の作品も、ペンネームからは想像もつかない、心底震え上がるほど怖いものばかりです。
各先生とも、ストーリーだけでなく作画も超一流!
各先生とも作風・画風に違いこそあれ、共通して言えるのは
「絵が上手い」
ということです。
「マンガ家なんだから、絵が上手なのは当然だろう!?」
とお叱りを受けるかもしれません。
その通りなのですが、やはり各先生とも画力はズバ抜けています。
どれだけストーリーが怖くても、画力に難があると怖さが減じてしまいます。
素晴らしい画力だと、ストーリーの怖さを最大限に引き出してくれます。
仮にストーリーがさほど怖くなくても、絵の恐ろしさや迫力でカバーされてしまうこともあります。
各先生については、ストーリーと画力が最高レベルでバランスを保っています。
原理を超越する怪奇マンガが出現してしまうことも!
しかし、心霊・怪奇マンガの中にはそうした原理を打ち破ってしまう作品が、たまに出現してしまいます。
絵のレベルは正直素人目からしてもかなり低いのに、どことなく恐怖心を掻き立てられ、読んでいくうちに怖さが増幅していく作品です。
このブログでもご紹介した伝説の怪奇マンガ専門レーベル「ひばり書房」のコミックスには、そうした作品がかなりあります。
「ひばり書房」・・・。昭和40年代に生まれた人たちには、男女問わず何とも言えない記憶を残した出版社です。Wikipediaによると、1947年8月に、東京都文京区小石川で創業されました。1980年代に新宿区早稲田町に移転しま[…]
古賀新一先生や日野日出志先生などビッグネームの作品もありますが、「この作家、誰だ?」という超マイナーなマンガ家の「一発屋」的な作品も多数刊行されています。
マイナーで当時はまだ売れていない作家でも、画力のレベルが高く、一般の少年・少女誌で書いていてもおかしくない人がいます。
反対に
「よくこれでコミックスを出版してもらえたな・・・。」
というような作家も、かなりの割合で含まれています。
「『ひばり書房』の税金対策という意味合いで出版されたのかな・・・。」
などと、要らぬ勘繰りをしてしまいます。
もしかして、ソニーのプレイステーションが初期に採った
「任天堂のように厳しい(レベルの高い)基準をゲームソフト会社に要求せず、ソフトをどんどん出していく中で、売れるソフトだけが生き残っていけばいい。」
という高度なビジネス戦略と同様の考えだったのでしょうか・・・?
マンガだけでなく、イラストにも同様の現象が!
また、怪奇マンガだけでなくイラストにも同様の現象が見られます。
先日このブログで書いた「ケイブンシャ大百科シリーズ」や、怪談本の老舗である二見書房のポケット版怪奇本シリーズで、そうした例が多数あります。
どちらも文章だけでなく挿絵イラストが豊富でした。
文章ばかりのページをしばらく読み進んでいると、いきなりイラストが意表を突いて出て来るのです。
ただ、そのイラストの絵が、かなりの確率でレベルが低いです。
中にはプロの絵とは思えないようなものもあり、
「これ、編集部の人が自分で書いたんじゃないか・・・?」
とすら思ったものです。
ヘタウマな絵が、かえって不気味さを際立たせる!
ところが、下手でデッサンが狂っていたり、線の太細などがバラバラで乱れていたりすることで、イラスト全体から何とも言えない気持ち悪さ、不気味さが漂っていることが多いのです。
わざとそうした画風にして描いたというテクニックも感じられず、結果オーライのような形ではありますが、怪奇ものの本に相応しいテイストが出てしまっています。
いわゆる「ヘタウマ」という言葉が当てはまります。
画力の高いプロのマンガ家にはかえって出せないような、独特の怖さと言うべきでしょうか。
前述のひばり書房のコミックスも、そうした種類の怖さを醸し出していました。
予算削減や締切のため、実績・実力のない若手を起用した?
個人的な推測ですが、ケイブンシャも二見書房も、プロの実績あるマンガ家やイラストレーターに依頼できる予算がなかったか、あるいはケチったかの理由で、まださしたる実績もない若手を起用していたのではないでしょうか。
ひばり書房にしても、実力や実績のあるマンガ家に依頼したいが、予算は潤沢ではなかったかもしれません。
また、コミックスの作品数は増やしたいが、締切や予算の都合もあり、仕方なく他の書籍では使えないレベルの人材にも描かせていたのかもしれません。
ケイブンシャや二見書房では、前述したように編集部の人が自分でイラストを書いたというのも、冗談ではなく本当にあったのでは?
実家にあった二見書房の怪談本のイラストが、ヘタウマで激怖だった!
十数年前、実家で本の整理をしていた時、
二見書房の「海の怪談 山の怪談」(こんなタイトルだったと思います・・・)
という本が出て来ました。
いつ買ったか全く覚えていませんでしたが、どうやら10代の頃に買った本のようです。
パラパラとページをめくってみると、一話に一つイラストが載っていたのですが、それらがことごとく件の「ヘタウマ」イラストでした。
デッサンや遠近法が狂いまくっているのですが、そのせいもあり気持ち悪さ全開となっていました。
私は本を閉じ、処分する本を入れる段ボール箱に、その本を入れました・・・。
最後に・・・。
最近の怪談本には、イラストが全くないものが多いです。
その分怪談の数が増えるので、個人的には全く構いません。
しかし、昔の本に載っていた、あの何とも下手で何とも不気味なイラストを、嫌がりながらもどこか喜んでいた自分に気付きました。
21世紀、令和の世には、もうああいった「ヘタウマ」マンガやイラストの入り込む余地はないのでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。