以前にこのブログで「約40年間誰も住んでいない家」について書きました。
1980年代の初め、父が家を買い(もちろんローンです)現在の実家に引っ越しました。3年ほど前からの新興住宅街で、どこの一戸建てもマンションも、新築またはそれに近かったです。 [adcode]住人がいない[…]
実家の近くに今も存在する、新築後約40年の間誰も住むことなく、空き家状態の家です。
実は、私が結婚するまでの約16年間住んでいたワンルームマンションの近くにも、不思議な家、正確に言えば店舗がありました。
商店街のアーケードの一角に、営業実態のない写真館が・・・。
その店舗は、ある商店街のアーケードの一角にある、小さな写真館でした。
私が近くに引っ越して来た当初から、既に営業していませんでした。
閉店を告げる貼り紙もなく、シャッターも下りていません。
ただ、窓ガラスの部分に内側からベニヤ板のようなものが貼られていて、店内の様子をのぞき見ることもできませんでした。
ショーウィンドウには、モデルらしき女性の晴れ着姿の写真や、相当古い
瀬戸朝香さん(V6の井ノ原快彦さんの夫人)
のポスターが貼られたままになっていました。
当時はまだデジタルカメラが普及するかしないかの頃で、街の写真屋さんが続々と廃業・倒産するような状況ではありませんでした。
私は、単に一軒の写真館が閉店しただけと捉えていました。
月日が経っても、その写真館はずっと変わらないまま・・・。
しかし、それから1年、2年と経っても一向にその店の状態は変わりませんでした。
「テナント募集」、「売家(店舗付き)あり」などの看板もなければ、解体業者がやって来て内装を取り壊すこともありませんでした。
裁判所の不動産競売にかかった様子も見当たりません。
商店街そのものは結構賑わっており、ある店が閉まるとしばらくして新しい店が入れ替わりにオープンするという具合で、新陳代謝が起こっているのと同時に、流行らない店は次々と潰れていきました。
私が近所に住んでいた16年間で、10軒以上は店が替わりました。
場所によっては、3回店が入れ替わった所もあります。
その間も件の写真館はずっとそのままでした。
日中に人が出入りするところも、一度も見たことがありません。
再建築不可かつ老朽化のため、所有者が放置したまま?
5年、10年を過ぎても、別の店が入る気配は微塵もありませんでした。
アーケードの角ではなく途中にある店で、左右の隣の店舗との間隔がないに等しいくらい近いという状況でした。
取り壊したとしても、同じ大きさの建物を再建築できなかった可能性は高いです。
また、アーケード内の店は、通りに面した表側の部分は改装するなど、ある程度手を加えていますが、その奥の部分は何十年もそのままで、老朽化していることがよくあります。
写真館の不動産所有者はどうすることもできず、そのままで放置しているのだろうと、個人的には推測します。
周囲の個人経営店の跡地は、16年の間に多くが大手FCチェーンの飲食店やコンビニになっていくという、お決まりのパターンで変化していきました。
その中で、その写真館だけが時の流れが止まったように、意固地なまでに変わりませんでした。
最後に・・・。
私が引っ越してから大分経ちますが、あの写真館はどうなっているでしょうか。
幽霊が出るとか、事故物件であるとかの噂は全く聞きませんでした。
しかし、現在日本全国で表面化している「空き家問題」をまさに体現しており、今後あの商店街でも問題化するかもしれません。
幽霊とは別の意味で「怖い」不動産であると言えるでしょう・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。