裁判されても「ない金は払えん!」人は無敵!

お金や法律などの話(夫)

債権回収の仕事で、無担保債権と有担保債権の回収では、有担保債権の回収の方が圧倒的にやりやすいです。

不動産を担保に取っていると、いざとなれば任意売却または競売で売却させ、いくらかのまとまった金額を回収できます。

それまでの交渉には確かに手間と時間がかかり、債務者や担保所有者も、売却させまいとあの手この手で抵抗してきます。

しかし、督促や呼出には必ず反応してきます。

無担保債権の債務者はなかなか手強い!

それに比べ、無担保債権の債務者は、7~8割の確率で、督促や呼出に反応しません。人によっては、一回もまともに接触できないまま訴訟申立に至ることもあります。

電話に出たり、呼出に応じて事務所に来る債務者も、具体的な返済の話まで進めない人が多いのです。

現在の苦境を延々と聞かされたり、逆ギレされて文句言われるのは、まだ相手が債務を気にしていることの表れだと言えます。

しかし、泣くでも怒るでもなく、飄々とした感じで、どこか他人事のように話をする債務者は、実は一番困ったタイプです。

「無敵の人」とは?

2~3ヶ月前に、ネットニュースで「無敵の人」という言葉を初めて知りました。

ネット掲示板「2ちゃんねる」の創設者、西村博之氏が使い始めたそうです。

金も仕事も、友人も恋人も何もなく、ヤケになって無差別通り魔事件などを起こす人間、つまり「失うもののない人間」を指します。

良い意味では決してなく、あまり使いたくない言葉です。

債務者には、失うもののない人が存在する!

確かに、貯金や定職がなく、借金返済のあてがない債務者には、守るべきものがない、すなわち失うもののない人もいます。

そういう債務者の人たちから話を聞くと、

・ 借金のせいで妻子に逃げられた

・ 親族からは縁を切られた、またはそれに近い状態

・ 友人や知人からも金を借りて返せないままなので、相手にされない

など、人間関係(家族の絆、親子の情、友情、社会的信用など)全てを無くしたという場合が、多く見受けられます。

そういう人たちは、どこか共通した雰囲気、まさしく「無敵」な雰囲気を漂わせていました・・・。

「無敵の人」には、法的措置も効果なし!

そうした債務者を相手に裁判をしても、裁判所に出頭せず、欠席裁判になることが多いです。出頭しても、今後の具体的な返済計画は示されず、回収につながらない場合がやはり多いです。

勝訴判決に基づいて預金差押を行っても、口座残高が数十円~数百円程度のことが大半で、完全な費用倒れになってしまいます。

最後に・・・。

今のところ、私が過去に担当した債務者で、世間を騒がせる本当の「無敵の人」になった人は、まだいないはずです。

しかし、このコロナ不況が続く中では、そのうち誰かがそうなってしまうのでは・・・と心配になってしまいます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。