2021年(令和3年)4月を迎えてもなお、世界中で新型コロナウイルスの影響は収束の兆しを見せません。
ワクチンの接種が進んでいる一部の国では、社会活動が徐々に回復し始めていますが、ほとんどの国ではまだまだ新規感染者の増加に苦しんでいます。
日本も「ほとんどの国」の一つであり、3月末から東京や大阪を中心に「変異ウイルス」への感染が急激に増加しています。
積極的なリーダーシップを発揮すべき政府が、相も変わらずお得意の
「丸投げ攻撃」
を次々繰り出してくるため、国民も
「コロナなんてもうどうでもいいや攻撃」
で反撃に出ているという状況です。
能力・人格で『人を動かす』人は滅多にいない!
そうした現状を見るにつけ、
「人を動かすというのは、やはり非常に難しい。」
と改めて感じます。
上は閣僚・社長レベルから下は中間管理職(次長・課長)レベルまで、複数の人間を束ねて一定の目標へと動かしていく立場は、数多く存在します。
一見、他人を動かすことはさして難しくないように思えます。
しかし、上に立つ人間の
「器」
すなわち能力や人格によって下の人間が動かされる(あるいは自ら能動的に動く)例というのは、滅多にないものだと個人的には確信しています。
多くの人間は、『権力』と『金』で他人を動かしているだけ!
大抵の場合においては、上の者の
「権力」
「財力」
によって下の者が仕方なく動いている(「動かされている」感じを抱きながら)に過ぎません。
残念なことに、多くの「上に立つ人間」たちはそのことに気付いておらず、
「自分の能力の高さ」
によって下の者たちが自分の言う通りに動いていると考えがちです。
勘違いもここに極まれりという状態です。
皆様の周囲(特に職場)にも、そういう「上司」、「偉い人」はゴロゴロいるのではないでしょうか。
「上司と部下じゃなかったら、お前の言うことなんか誰がまともに聞くか!」
というような台詞は、ほぼ全てに近い人が一度は心の中で発した言葉でしょう。
もし実際に口から発した人がいたら、尊敬します(笑)。
本当に『人を動かす』器の持ち主ほど、出世できない!
管理職の人たちの中でも、いわゆる「中間管理職」の人たちは自分より上の地位の人たちの
「無茶振り」
に悩み苦しんでおり、まさしく「板挟み」です。
もちろん、数としては極めて少ないものの、本当に
「人を動かせる」
能力・人格を持っている人も存在します。
ただ残念ながら、そういった人ほどあまり順調に出世街道を駆け登って行けないのが現状です。
上位の人間にも必要とあらば物申せる人間こそ、人の上に立つべきなのですが、そういう
「物申す人間」
は、次長やせいぜい部長(一般企業の場合)までが限界でしょう。
官僚や裁判官の世界では、「中央」すなわち東京の本省・本庁の顔色ばかりうかがい、東京赴任を願っている人間を
「ヒラメ」
という蔑称で呼んでいるそうです。
どちらかと言うと、そういうタイプの人間の方がつつがなく世渡りし、
「人の上に立ってしまう」
のが世の常となっています。
しかし、下々の人間(私もまさしくこちらの部類)は
「組織の掟」
に従い、どうひいき目に見ても尊敬できる所が一つもない人間であっても、「上の人」には従う他ありません。
「動かされる」駒となるしかないのです。
ロングセラー『人を動かす』を読んだだけでは、人は動かせない!
アメリカの鉄鋼王と呼ばれ、
「カーネギー・ホール」
を建てたアンドリュー・カーネギーの著書
「人を動かす」
は、今でも書店で売られているロングセラーです。
この本を読んで「人を動かせる人間」になる方法を学びたい人が多いのでしょうか。
しかし、前述の通り「人を動かす」のは非常に難しいことです。
当然ながら本を読んだだけでは無理であり、圧倒的多数の人間にとっては、そんなことを考えること自体が
「おこがましい」
と言われても仕方がないでしょう。
最後に・・・。
それよりもまず、
「自分が動く」
ことを心掛けるべきでしょう。
自分が真っ先に行動して
「率先垂範」
してこそ、他人が一緒に動いてくれる可能性も生まれるはずです。
永田町や霞ヶ関でふんぞり返っている
「お偉い方々」
には、今こそそれに気付いて実践して欲しいものです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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