日本を含め、世界中で人気のあるテレビドラマのジャンルは、
「刑事ドラマ」
でしょう。
刑事ドラマで頻繁に登場する用語の中に、
「状況証拠」
があります。
容疑者浮上も、確実な証拠が・・・。
ある人物が容疑者として浮上するが、犯行を裏付ける確実な証拠、つまり
「物的証拠」
がどこにも見つからない。
しかし、犯行当時の様々な状況を照らし合わせると、その人物以外に犯人は考えられない・・・。
こうした展開は、刑事ドラマではよくあるパターンです。
この「状況証拠」、英語ではどう表現するのでしょうか?
『証拠』の重さにより、表現に違いが!
まず
「証拠」
ですが、和英辞典で通常出て来るのは、
「evidence」[évədns(米国英語), évdèns(英国英語)]
「proof」[prúːf(米国英語), pru:f(英国英語)]
の二つです。
大修館書店 ジーニアス和英辞典によると、「evidence」は
推論や主張の根拠になるデータとしての「証拠」
を指します。
「事実であるとまだ完全に証明されているわけではない」
という含みが込められることが多いそうです。
そうした「evidence」を積み重ねたものが「proof」となります。
ある事柄が事実であることを示す、説得力のある「証拠」
を意味するとのことです。
そうなると、「状況証拠」の「証拠」は「evidence」の方が相応しいようです。
『状況』はどの単語を選ぶ?
次に「状況」ですが、和英辞典ではいくつもの単語が候補として出て来ます。
日本語でも、「状況」のことを「シチュエーション」と表現されることは多々あります。
そのため、
「状況」= 「situation」[sìtʃuéɪʃən(米国英語), ˌsɪtʃu:ˈeɪʃʌn(英国英語)]
と連想なさる方は多いかもしれません。
しかし、残念ながら正解ではありません。
「circumstance」[sˈɚːkəmst`æns(米国英語), ˈsɜ:kʌˌmstæns(英国英語)]
を使うのが正解です。
大修館書店 ジーニアス英和辞典によると、「circumstance」には
①(周囲の)事情、状況、境遇
②(経済的な)生活状態、境遇
など複数の意味があります。
上記①は、まさに適切です。
「circumstance」のままではなく、形容詞形の
「circumstantial」[s`ɚːkəmstˈænʃəl(米国英語), səːkəmˈstanʃəl(英国英語)]
を用います。
以上より、「状況証拠」を英語で表現すると
「circumstantial evidence」
となります。
『物的証拠』の表現は色々ある!
ちなみに、「物的証拠」については
「physical evidence」
「real evidence」
「material evidence」
「material proof」
などの表現があります。
最後に・・・。
いかがだったでしょうか?
日本語では普通に使っている言葉でも、いざ英語にしようとすると、なかなか適切な表現が浮かびません。
そうした言葉について
「これって、英語ではどう言うのかな?」
と調べるように習慣付けると、英語の語彙力が向上するはずです。
ただ、品行方正な私生活を送っていれば、警察から「状況証拠」や「物的証拠」をあれこれ調べられる立場には陥らないと思います・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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