「catch−22」ってどういう意味?試験に出ない英語手帳(第80回)

「catch−22」・・・?

「catch」なら、「捕まえる」や「つかむ」とかの意味と分かるけど・・・。

その後に「−22」ってどういうこと?

「Century21」なら、よくCMで観るけど・・・。

残念ながら、不動産仲介会社とは全く無関係です。

 

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この言葉の状況に陥るのは嫌だ!

大修館書店 ジーニアス英和辞典では、

「catch−22」

「どっちに転んでも勝算のない不合理な状況」

「板挟み」

と日本語訳されています。

Catch−22」

と、「c」が大文字で表記されることも多いです。

研究社 新英和中辞典では、

「(どうもがいても)動きがとれない矛盾(した状況)」

「ジレンマ[逆説]的な状態」

と説明されています。

 

英英辞典の例文が分かりやすい!

オックスフォード現代英英辞典には、次の例文が載っています。

「I can’t get a job because I haven’t got anywhere to live but I can’t
affort a place to live until I can get a jobーit’s a catch−22 situation.」

(私は住む所がないので、仕事が見つけられない。しかし仕事を
 得るまでは、住む所を確保できない。これは板挟みの状況だよ。)

「catch−22」の意味を明確に理解できる、素晴らしい例文です。

ところで、なぜ「catch−22」という不思議な表現なのでしょうか?

 

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知ったのはラジオ講座。由来は小説!

この言葉を知ったのは、二十数年前にNHKラジオ第2で放送されていた

「やさしいビジネス英語」

においてでした。

小説のタイトルが由来だという説明がされていましたが、詳しい内容までは話されませんでした。

アメリカ人作家ジョセフ・ヘラー(Joseph Heller:1923〜1999年)
が1961年(昭和36年)に発表した小説

「Catch−22」

が由来だと、かなり後になって知りました。

「catch」には、

「落とし穴」や「罠」

といった意味もあります。

そして、「22」

「アメリカ空軍軍規第22項」

を指すそうです。

 

主人公が、にっちもさっちも行かない状況に!

主人公はアメリカ空軍の爆撃機乗員で、イタリアのある小島に駐留しています。

何とかして早く除隊したいと願っています。

軍規第22項では、精神疾患を患っていると判断された兵士は、除隊が認められます。

しかし、自分から申し出ると

「自分で精神疾患だと気付けるなら、精神疾患ではない。」

と、却下される恐れがあります。

また、希望通りに精神疾患だと判断されても、

「精神状態に問題がある兵士なら、爆撃に出撃しても恐怖を感じないだろう。」

と、かえって危険な任務に就かされる恐れが・・・。

主人公はこのジレンマに悩みます・・・。

まさしく

「catch−22」

そのものです。

 

最後に・・・。

この小説は映画化もされています。

また、続編も出版されましたが、インターネットで調べた限りでは、続編の日本語版は出版されていないようです(少なくとも現在は)。

ある本で、こんな話が書かれていました。

続編の日本語版出版を検討していた出版社が、「Catch−22」を日本語に翻訳なさった

飛田茂雄先生(著名な翻訳家・故人)

に翻訳依頼を打診。

飛田先生は、続編の原書をお読みになった後、出版社に

「続編はあまりにもつまらないので、絶対に売れません。日本語版の出版は止めた方がいいですよ。」

と忠告なさったそうです・・・。

「Catch−22」の方は、現在も日本語版が入手可能です。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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