「catch−22」・・・?
「catch」なら、「捕まえる」や「つかむ」とかの意味と分かるけど・・・。
その後に「−22」ってどういうこと?
「Century21」なら、よくCMで観るけど・・・。
残念ながら、不動産仲介会社とは全く無関係です。
この言葉の状況に陥るのは嫌だ!
大修館書店 ジーニアス英和辞典では、
「catch−22」は
「どっちに転んでも勝算のない不合理な状況」
「板挟み」
と日本語訳されています。
「Catch−22」
と、「c」が大文字で表記されることも多いです。
研究社 新英和中辞典では、
「(どうもがいても)動きがとれない矛盾(した状況)」
「ジレンマ[逆説]的な状態」
と説明されています。
英英辞典の例文が分かりやすい!
オックスフォード現代英英辞典には、次の例文が載っています。
「I can’t get a job because I haven’t got anywhere to live but I can’t
affort a place to live until I can get a jobーit’s a catch−22 situation.」
(私は住む所がないので、仕事が見つけられない。しかし仕事を
得るまでは、住む所を確保できない。これは板挟みの状況だよ。)
「catch−22」の意味を明確に理解できる、素晴らしい例文です。
ところで、なぜ「catch−22」という不思議な表現なのでしょうか?
知ったのはラジオ講座。由来は小説!
この言葉を知ったのは、二十数年前にNHKラジオ第2で放送されていた
「やさしいビジネス英語」
においてでした。
小説のタイトルが由来だという説明がされていましたが、詳しい内容までは話されませんでした。
アメリカ人作家ジョセフ・ヘラー(Joseph Heller:1923〜1999年)
が1961年(昭和36年)に発表した小説
「Catch−22」
が由来だと、かなり後になって知りました。
「catch」には、
「落とし穴」や「罠」
といった意味もあります。
そして、「22」は
「アメリカ空軍軍規第22項」
を指すそうです。
主人公が、にっちもさっちも行かない状況に!
主人公はアメリカ空軍の爆撃機乗員で、イタリアのある小島に駐留しています。
何とかして早く除隊したいと願っています。
軍規第22項では、精神疾患を患っていると判断された兵士は、除隊が認められます。
しかし、自分から申し出ると
「自分で精神疾患だと気付けるなら、精神疾患ではない。」
と、却下される恐れがあります。
また、希望通りに精神疾患だと判断されても、
「精神状態に問題がある兵士なら、爆撃に出撃しても恐怖を感じないだろう。」
と、かえって危険な任務に就かされる恐れが・・・。
主人公はこのジレンマに悩みます・・・。
まさしく
「catch−22」
そのものです。
最後に・・・。
この小説は映画化もされています。
また、続編も出版されましたが、インターネットで調べた限りでは、続編の日本語版は出版されていないようです(少なくとも現在は)。
ある本で、こんな話が書かれていました。
続編の日本語版出版を検討していた出版社が、「Catch−22」を日本語に翻訳なさった
飛田茂雄先生(著名な翻訳家・故人)
に翻訳依頼を打診。
飛田先生は、続編の原書をお読みになった後、出版社に
「続編はあまりにもつまらないので、絶対に売れません。日本語版の出版は止めた方がいいですよ。」
と忠告なさったそうです・・・。
「Catch−22」の方は、現在も日本語版が入手可能です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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