「The Lords of the Rings」
と書くと、映画ファンの方なら
「ロード・オブ・ザ・リング」
シリーズを思い浮かべられるでしょう。
2001年(平成13年)~2003年(平成15年)にかけて公開された、ファンタジー映画の三部作で、世界的大ヒットを記録しました。
『Lord』か『Lords』で、話が全く変わって来る!
イギリス人作家のJ・R・R・トールキンによる長編小説
「指輪物語」(原題:The Lord of the Rings)
が原作です。
しかし、注意深い方ならお気付きでしょう。
「あれ?小説や映画では『Lord』なのに、何で『Lords』って『s』が付いてるの?」
これはスペルミスではありません。
「s」が付いた
「The Lords of the Rings」
は、夢いっぱいの冒険活劇とは全く異なる内容の、別の本の題名となります。
世界的イベントの『影』、『闇』を暴露したノンフィクションの題名だった!
「The Lords of the Rings」
は、アンドリュー・ジェニングス(Andrew Jennings)とヴィヴ・シムソン(Vyv Simson)という二人のジャーナリストが、1992年(平成4年)に出版したノンフィクションです。
副題として
「Power, Money, and Drugs In the Modern Olympics」
とあることからお分かりの通り、オリンピックに関する本です。
国際オリンピック委員会(IOC)の絶大な権力、五輪開催の裏で動く巨額の金、ドーピングなど薬物汚染の拡がりなど、オリンピックの
「影」
「闇」
の部分を暴露した問題作として、世界的に話題を呼びました。
『指輪物語』の題名をもじった皮肉な書名だった!
「lord」[lˈɔɚd(米国英語), lˈɔːd(英国英語)]には、
「主人」、「支配者」、「君主」、「神」
などの意味があります。
小説や映画の「Lord」は、これらに当てはまります。
しかし、「lord」にはもう一つ意味があります。
「貴族」
という意味も持ち、イギリスでは候爵、伯爵、子爵、男爵の名前の前に
「Lord」(Lは大文字)
を付けます。
そして、
「the Rings」
は五つの輪、すなわち「五輪(=オリンピック)」を表しています。
つまり、日本語訳すると
「The Lords of the Rings」は
「五輪貴族」
となるのです。
この本の日本語版は1992年(平成4年)に光文社から
「黒い輪」
という書名で発売され、あの広瀬隆さんが監訳を担当なさいました。
最後に・・・。
この本の出版から30年近くが経過した2021年(令和3年)6月現在も、「五輪貴族」たちはまだ優雅な生活を維持するため、「お祭り」を開催しようとしています。
そして、彼らのご機嫌を取り「お祭り」に携わることで利権を得ようとする
「五輪ゴロ」
たちも今なお暗躍しています。
あと7週間後、およそ3兆円を費やした「お祭り」は、予定通り始まっているのでしょうか?
そして、3兆円に見合った
「世界中の人々の絆」
は生まれているのでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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