「改竄」・・・。
この言葉をすんなり
「かいざん」
と読める人は、意外と少ないはずです。
反対に、「かいざん」を「改竄」と漢字でスラスラ書ける人は、さらに少ないはずです。
「文書やデータなどの内容を不正に変更する」
という意味です。
「公文書の改竄」や「研究・実験データの改竄」などが時折マスメディアで大きく報道され、場合によっては刑事事件に発展します。
この「改竄」という行為は、日本だけでなく世界中で行われており、当然どの国でも不正行為です。
英語では一体どのように表現するのでしょうか?
当てはまりそうな単語がいくつもある!
実は、適切と思われる単語が複数あります。
(1)falsification[f`ɔːlsəfɪkéɪʃən(米国英語), ˌfælsʌfʌˈkeɪʃʌn(英国英語)]
(falsify[fˈɔːlsəfὰɪ(米国英語), ˈfɔ:lsʌˌfaɪ(英国英語)](変造する、偽造する)の名詞形)
(2)tampering[ˈtæmpɝɪŋ(米国英語), ˈtæmpɜ:ɪŋ(英国英語)]
(tamper[tˈæmpɚ(米国英語), ˈtæm.pə(ɹ)(英国英語)](【許可なく、勝手に】変更する、改竄する)の現在分詞)
(3)alternation[`ɔːltɚnéɪʃən(米国英語), ˈɔ:ltɜ:ˌneɪʃʌn(英国英語)]
(alter[ˈɔːltɚ(米国英語), ˈɔ:ltɜ:(英国英語)](変更する、改変する、改造する)の名詞形)
(4)interpolation(s)(interpolate[ɪntˈɚːpəlèɪt(米国英語), ˌɪˈtɜ:pʌˌleɪt(英国英語)](修正語句を書き込む、改竄する)の名詞形)
語尾に -s がなければ「改竄行為」(不可算)。 -s があれば「改竄箇所」(可算)。
(5)garbling[ˈgɑrblɪŋ(米国英語), ˈgɑ:rblɪŋ(英国英語)]
(garble[gάɚbl(米国英語), gάːbl(英国英語)](事実などを改竄する、文章などに勝手に手を加える)の現在分詞)
などが主なところです。
官公庁では上記の(1)、(2)、(3)が用いられているようですが、どのような基準で使い分けているのかは不明です。
いずれにしても、日本語でも英語でもこうした単語を使う事態には陥りたくないものです。
最後に・・・。
皆様もご存知のように、日本では公文書の改竄を命じられた公務員が、精神的に追い詰められて自ら命を絶つという、悲しい事件が数年前に起きました。
英語圏でも、こうした「改竄」を実行する(させられる)人間は、どちらかと言えば地位の低い人間です。
させる側の人間、つまり上位の権力を持つ人間は、知らぬ存ぜぬで逃げ通そうとします。
こういうパターンは、万国共通なのです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご興味がございましたら、こちらもお読みください。
「plagiarism」・・・。どういう意味?何とかイズム・・・「おしゃれイズム」なら、毎週日曜日の夜に観てるけど・・・。あるいは、プロレスファンにおなじみの「猪木イズム」?残念ながら、どちら[…]