「Caesarean section」
と言われて、すぐに何のことか分かる方は、かなり英語の得意な方でしょう。
「section」
と聞くと、日本語でも「セクション」と一般的に使われているように、「部門、部署」を連想してしまいます。
また、
「Caesarean」
も何のことかよく分かりません・・・。
意外な分野の言葉だった!
研究社 新英和中辞典では、
「Caesarean[またはCaesarIan] section」
は「帝王切開(術)、開腹分娩法」と日本語訳されます。
帝王切開とは、子宮切開により母親の体内から胎児を取り出す、外科手術の方法を指します。
医学用語の一つです。
「deliver a baby by Caesarean section」(帝王切開で出産する)
「do a Caesarean section」(帝王切開手術をする)
などのように用います。
「section」には、「(外科手術の)切開、切断」という意味もあります。
Caesarean とは何のこと?
ところで、「Caesarean(Caesarian)」とは一体何なのでしょうか?
この「Caesarean」[sɪzé(ə)riən(米国英語), ˈkeɪsɜ:ˌi:n(英国英語)]は、
「シーザーの、カエサルの」
という意味を持ちます。
シーザーと言えば、ピンと来る方もいらっしゃるでしょう。
シェイクスピアの戯曲でも有名な
ジュリアス・シーザー(Gaius Julius Caesar:B.C.100年頃~B.C.44年)
です。
ユリウス・カエサルとも表記されます。
古代ローマの武将・政治家であり、
「来た、見た、勝った。」
「賽(さい)は投げられた。」
などの言葉でも知られています。
男性のシーザーが、なぜ出産と関係がある?
しかし、なぜ男性であるシーザーと帝王切開が関係あるのでしょうか?
実は、シーザーは帝王切開で産まれたという伝説があったからです。
当然ですが、シーザーの産まれた時代には、「帝王切開」という言葉は存在しませんでした。
後に、子宮切開による分娩が「帝王切開」すなわち「Caesarean section」と呼ばれるようになりました。
ところが現在は、シーザーが帝王切開で分娩された可能性は、極めて低いとされています。
ただ、言葉としては引き続き、シーザーの名前が使われ続けています。
最後に・・・。
しかし、単なる伝説が由来であっても、紀元前の人の名前が現代の用語に使われているのは、凄いことです。
ちなみに、シーザーはイタリア語では
「Cesare」(チェーザレ)
となります。
イタリア人男性で、「Cesare」というファーストネームの人は結構います。
親御さんが
「この子には立派に成長し、偉大なことを成し遂げる人間になって欲しい。」
との想いから名付けたのでしょう。
親の子に対する気持ちは、万国共通のようです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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