「the bottom line」
という言葉自体は、簡単な英単語の組み合わせです。
「bottom」[bάṭəm(米国英語), bˈɔtəm(英国英語)]は「底(部)」、「下部」という意味、「line」は「線」という意味であることは、英語の苦手な方でも大抵ご存知のはずです。
では、「the bottom line」はどういう意味でしょうか?
ベタに「底の線」、「下部の線」と直訳しても、全く何のことか分かりません・・・。
実はこの言葉も、いくつかの異なる意味を持ちます。
意味は異なるが、本質的な部分は似ている!
研究社 新英和中辞典によると、まず
「最低値」
という意味が挙げられます。
多くの物事には数値的基準がありますが、それを指します。
「最低ライン」
といった言い方もできます。
例としては
「raise the bottom line of the minimum wage」(最低賃金の最低ラインを引き上げる)
などです。
続いては
「(決算書の)収支決算」
「(計上された)純益、損失」
という意味もあります。
日本でも、財務諸表の一つ「損益計算書」は、基本的に一番上から売上、各種利益、各種損失・・・と続いて、最後の行に
「当期純利益」または「当期純損失」が表示されます。
まさしく「the bottom line」です。
例としては
「this company’s bottom line」(この会社の最終収益)
「improve the bottom line」(純利益を向上させる)
のように使われます。
次は
「最終結果」
「最終決定」
という意味です。
「bottom-line expenses」(最終的な経費[費用])
「get efficiently the bottom line」(核心を突く)
などが例です。
定型的な言い方の一部になっている!
最後は口語として
「肝心なこと」
「主要なこと」
として用いられます。
上記の「最終結果」とも意味が少しカブっていますが、
「The bottom line is (that)~ .」
という形で
「要は、要するに」
「肝心な[大事な]点は」
という意味になります。
例文として
「The bottom line is (that)our country is in deep trouble now.」
(要するに、我が国は今大変な状況にあるんだ。)
が挙げられます。
最後に・・・。
2021年(令和3年)7月現在の日本では、様々な「the bottom line」が大変なことになっています。
政治家、官僚、財界人などの言動レベルの「最低ライン」が下降し続けています。
また、日本を代表する企業の多くも、「収支決算」が悪化しています。
そして、新型コロナ対策、五輪問題、災害復旧などの「最終結果」も視界不良です。
ところが、「肝心なこと」は置き去り、後回しにされたまま・・・。
このままでは、日本全体の「底」が抜けてしまうかもしれません・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。