「DU弾」?
野球の決勝弾(決勝ホームラン)なら、ご存知の方も多いでしょう。
モデルガンで使う「BB弾」の仲間?
惜しいところですが、BB弾とは比較にならないほど恐ろしい弾です。
「DU弾」の正式名称は Depleted Uranium ammunition、日本語で「劣化ウラン弾」となります。
depleteは
(他動詞) [保有物・資源などを]激減させる、使い果たす
(自動詞) [保有物・資源などの量が]激減する
という意味を持ちます。
uranium は「ウラン」です。ammunition は「弾薬」という意味です。
個人的には、ウランというと原子力発電所を連想します。
また、なぜか液体っぽいイメージを持っていましたが、ウランの単体は金属です。
天然ウランから濃縮によって濃縮ウランを得ると、後に残った部分を「劣化ウラン」と呼びます。
しかし、比重が鉄の2.5倍、鉛の1.7倍という重い金属です。
よって、戦車砲の砲弾の中心部分である「弾芯」に用いられます。
しかし、恐ろしい事実があります。
劣化ウランはウランの残りであるため、放射能が残存しています。
また、毒性も持っています。
湾岸戦争やイラク戦争で劣化ウラン弾が使用された地域で、白血病患者や奇形児出生の増加が報告されています。
また、両戦争の帰還兵たちが発症した
「湾岸戦争症候群」(Gulf War Syndrome)の原因の一つではないかと指摘されています。
しかし、アメリカ政府及びアメリカ軍は、それらと劣化ウラン弾との因果関係を否定しました。
そして、米兵のガン情報も非公開にしてしまったのです。
敵の戦車の装甲を貫通する破壊力を得るために、劣化ウラン弾は今も使用されています。
ですが、戦闘が終わった後も現地住民たちや、劣化ウラン弾を使用した兵士たちの健康も破壊してしまう恐れのある、非常に危険な砲弾です。
短期的には勝者と敗者を生み出しますが、長期的には敗者しか生み出さない兵器だと言えます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。