21世紀の日本では、
「正社員」
という立場の重要性が、年々増しています。
2022年(令和4年)3月現在、
「派遣社員」
「契約社員」
など非正規雇用の形態で働いている人は、さほど珍しい存在ではありません。
今や日本の就業者の中で、40%近くの割合を占めています。
『正社員』英語では・・・。
非正規雇用が増加しているのは、日本だけではありません。
アメリカやヨーロッパでも、状況は似ています。
英語では「正社員」を
「full−time worker」
「permanent employee」
などと表現します。
ところで、イタリア語では「正社員」をどう表現するのでしょうか?
『正社員』イタリア語でも複数の表現あり!
小学館 伊和中辞典で「正社員」を調べると、
「impiegato(女性はimpiegata)regolare[effettivo/fisso/di ruolo]」
と載っています。
「impiegato(またはimpiegata)」は
「(デスクワークの)サラリーマン・OL」
「会社員」
「職員」
という意味を持ちます。
『regolare』には、動詞と形容詞がある!
「regolare」には、
「統制する、規制する」などの意味を持つ動詞と、
「正規の、規則的な」
という意味を持つ形容詞の2種類があります。
形容詞として用いると、
「正規の職員」すなわち「正社員」
となります。
『effettivo』、『fisso』も同様の意味!
次に、「effettivo」は
「実際の、具体的な」
「正規の」
という意味の形容詞です。
この場合も
「正規の会社員」=「正社員」
となります。
他の例文としては、
「socio effettivo」(正会員)
があります。
続いて「fisso」は、
「固定された、安定した」
「定められた」
という意味の形容詞です。
小学館 伊和中辞典では
「avere un impiego fisso」(定職を持つ)
という例文が載っています。
この場合も
「安定した職員」
となり、これまた「正社員」です。
『di ruolo』が最も使われている?
最後に「di ruolo」ですが、
「ruolo」は
「人名簿、登録簿」
「(演劇などの)役」
などの意味を持つ名詞です。
「ruolo del personale」は、
「職員[従業員]名簿」
を指します。
「di ruolo」は
「名簿に載っている」
という意味です。
「impiegato(またはimpiegata)di ruolo」は
「名簿に載っている職員」すなわち「正社員」
となります。
私は単語集では、「di ruolo」しか見たことがありません。
これが、最も用いられている表現ではないでしょうか。
最後に・・・。
私が若手社会人だった1990年代後半は、職場で派遣社員のいる部署は、ほとんどありませんでした。
しかし2000年代半ば頃から、大量に派遣社員を採用するようになりました。
皮肉なことに、派遣社員の中には、正社員よりも仕事のできる優秀な方が多いのです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご興味がございましたら、こちらもお読みください。
全ての物や事柄が、一通りでしか言い表せないことは、滅多にありません。どんな言語でも、同じ物事に対し、異なる表現がなされる例は無数にあります。今回ご紹介する「estremo difensore」はイタリア語です[…]
日本語の慣用句に「取らぬ狸の皮算用」があります。大多数の方々はご存知でしょう。岩波書店 広辞苑によると「(まだ捕まえないうちから、狸の皮の売買を考えることから)不確実な事柄に期待をかけて、それをもとに[…]
 
  
 
