「裸一貫」
という言葉は、若い世代の方々にはなじみが薄いかもしれません。
平たく言えば、
「一文無しから始める、ゼロからスタートする」
という意味です。
「彼は裸一貫から世界有数のIT企業を築き上げた。」
などのように、一代で成功を収めた人物を評する際に使われます。
この「裸一貫(から、で)」を英語で表現すると、どうなるでしょうか?
単純に「nude」や「naked」を用いても、全く意味が通じません。
具体的な言葉に変換して訳すると、割と簡単!
大修館書店 ジーニアス和英辞典によると、「裸一貫」は
「start at the bottom of the ladder」(「梯子の一番下から」が直訳)
「start from[at, on]scratch」([俗語]最初から、ゼロから)
と英訳されます。
他に
「without any capital to start with」(始めるに当たって何の資本もなく)
「without anything to start with」(始めるに当たって何も持たず)
と具体的に表現する場合もあります。
もう少し簡単に
「start from zero」(ゼロからスタートする)としてもいいでしょう。
似た意味の熟語がある!
似た意味の熟語に
「from rags to riches」(無一文から大金持ちに)
があります。
「rag」[rˈæg(米国英語)]は
「ぼろ切れ、ぼろ服、ぼろ着」
という意味を持ちます。
要するに、みすぼらしい(貧しい)見なりの境遇から成り上がって、金持ちになるということです。
最後に・・・。
日本及び外国の偉人伝などを読むと、貧しい少年~青年時代を経て、まさしく「裸一貫」から大富豪や一国のトップに上り詰めた、という話が多いです。
しかし近年の日本では、そういう話はなかなか見聞きしません。
親から子、子から孫へというような「世襲」が多く、特に政治の世界では顕著です。
あと50年ほどすると、この「裸一貫」という言葉も絶滅してしまうのでは?と心配になります・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
 