今から36年前、1984年(昭和59年)に、サスケ(SaSuKe)という炭酸飲料が発売されたことをご存知でしょうか?
「知ってる!」、「飲んだことある。」という方は、おそらく1970年代後半よりも前に生まれた方でしょう。
サスケは、サントリーフーズより発売されました。
コーラのように黒褐色ですが、リン酸やカフェインは含まれていません。
また、チェリーや柑橘系のフレーバーが売りでした。
250ml缶と、350ml瓶の二種類がありました。
CM制作に際し、豪華メンバーが集結!
インターネットで、Wikipediaや他のサイトの情報を確認すると、TVコマーシャルの制作陣が非常に豪華であることを知りました。
CMディレクターが川崎徹。当時新進気鋭のディレクターで、後に「天才!たけしの元気が出るTV」にも出演しました。
コピーライターは糸井重里。これ以降も様々な商品のコピーを手がけ、ヒットに導きました。現在も多分野で活躍する大御所です。
アートディレクターは横尾忠則。世界的な知名度を誇る芸術家です。
音楽は坂本龍一。元YMOの一員で、後に映画「ラストエンペラー」の音楽でアカデミー賞を受賞し、「世界のサカモト」となりました。
そして、主演ともいうべき少女忍者を演じるのは、仙道敦子。
後に女優として活躍し、現在は俳優の緒方直人の奥さんです。
これほど豪華な面々を集めたからには、CM制作費用も相当な金額だったのではないでしょうか。
コカコーラに派手な挑戦状を叩きつけたが・・・。
CMのキャッチコピーは、
「コーラの前を横切るヤツ。冒険活劇飲料 サスケ」
というものでした。
明らかに、コカコーラを意識しています。
サントリーとしては、巨人コカコーラが支配するコーラ界に、殴り込みをかけようという意気込みだったのでしょう。
約30秒のCM(Youtubeで視聴可能です)の最後のテロップに、
「つづく」
と表示されており、第二弾、第三弾のCMを制作するつもりだったのでしょう。
しかし、CMは続きませんでした・・・。
サスケの冒険活劇は、あまりにも早く幕を閉じた・・・。
理由は至って簡単、肝心の商品が売れなかったからです。
チェリーや柑橘系の味が、当時の消費者に受けなかったのです。
今で言う「かなり攻めた商品」だったのですが、鳴り物入りで登場したものの、思いっきりスベッてしまったというわけです。
CMコピーの通り、冒険した商品でしたが、冒険が幕を閉じるのは早く、発売翌年の1985年(昭和60年)で販売終了となりました。
今になって考えると、サントリーの名物会長だった佐治敬三さんの有名な口癖「やってみなはれ。」そのものの、チャレンジ精神にあふれた商品だったと思います。
しかし、おそらく多額の予算を注ぎ込み、大々的に宣伝したにも関わらず、爽やかなくらいに大コケしたわけですから、ビジネスとしては大失敗だったと言わざるを得ません。
サントリー社内では、何人かの関係者が左遷されたのではないかと、個人的には推測しています。
一度だけサスケを飲んだが、その味は・・・。
私は、このサスケを一度だけ飲んだことがあります。
中学二年生の頃でした。
家の近所のパン屋さんで、300mlの瓶を買いました。そして、そばのベンチに座って飲み始めました。
微妙な味で、正直「マズい・・・。」と思いました。
しかし、せっかく100円出して買ったのだからと、何とか半分ほど飲みました。
しかし、もう限界でした・・・。
それ以上飲むのを断念し、残りは泣く泣く側溝に流して捨てました。
最後に・・・。
サスケの味は、現在で言えばチェリーコークや、ドクターペッパーに似た味だと例えられます。
現在の私は、ドクターペッパーが美味しいと公言する少数民族です(笑)。
50歳目前の今、もう一度サスケを飲むことができたなら、
「サスケって、美味しい!」と素直に言えたかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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