元祖カラオケ「8トラ」覚えてる人、手を挙げて!

「最近、全然カラオケに行ってないな・・・。」

そうお思いの方々は多いはずです。

2020年(令和2年)初めからのコロナ禍は、日本のカラオケ文化に甚大な影響を及ぼしました。

マスクなしで大声を出し、飛沫が飛び散る

という、コロナ対策の観点からは最も避けるべき行動となってしまいました・・・。

2022年(令和4年)3月現在、街中のカラオケボックス店は、充分に感染対策を行った上で営業しています。

しかし、コロナ前の賑わいからは程遠い状態でしょう。

 

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21世紀のカラオケは、ITを駆使!

21世紀のカラオケは、インターネットを使ったオンライン形式で、一昔前では信じられなかった進化を遂げています。

曲数は、無限ではないかと思うほどあります。

モニターから流れる映像は、曲のジャンルに合わせてランダムに変化するそうです。

また、最近は歌手本人が映像に登場することも。

ただ、映像そのものは昔とさほど変わらず、独特の不思議なオーラを放っています・・・。

全曲、モニターには歌詞字幕が表示され、外国から来日した人たちの

「日本語学習ツール」

となっている一面もあります。

 

『8トラ』が分かるかどうかで、世代が分かる!

平成生まれの方々にとっては、今のカラオケシステムは当たり前でしょう。

しかし、昭和50年代(今から40〜50 年近く前・・・)には、当然ながらネットもタッチパネルも、ワイヤレスマイクもありませんでした。

レーザーディスクやVHDも然り。

 

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ブルーレイの基板

 

カラオケと言えば、

「8トラ(ハチトラ)」

一択だったのです・・・。

「8トラ?一体何のこと?」

若い皆様は、困惑なさるはずです。

反対に、昭和30年代以前に生まれた方々は、懐かしさと共に思い出されるはずです。

 

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『8トラ』は、カセットテープ的で再生専用!

「8トラ」とは、

「8トラック・カートリッジテープ」

という、カートリッジ式の磁気テープです。

また、その再生装置も指します。

詳しい内容は、インターネット(Wikipediaなど)で検索してみてください。

プラスチック製のカートリッジの片面に、小さい穴が開いています。

再生機器に挿入する側には、長方形の穴が3つ開いており、そこを磁気テープが通っています。

カセットテープ(これも若者には縁遠い・・・)と似た構造です。

カセットテープとの相違点は、

録音ができず再生専用

という点です(一時期は、録音できるものもあったそうです)。

上記のように、カートリッジを8トラ再生機器(ステレオのアンプに近い感じ)に挿入して再生すると、カートリッジの穴を通してリールが回り、磁気テープに録音された音楽がスピーカーから流れて来ます。

 

現代から見ると、かなりの貧弱さ・・・。

その音楽は、カラオケ用なので歌声は入っていません。

音楽の伴奏だけが収録されています。

1本のカートリッジに収録されている曲数は、

何と4曲・・・。

100曲揃えようと思えば、25本のカートリッジを購入しなければなりません。

そして、当然ながら映像はありません・・・。

なので、歌詞字幕もありません。

歌詞を暗記するか、歌詞カードなどを見ながら歌うしかありません。

今から振り返ると、何ともモッサリした感じです。

貧弱さが漂っています・・・。

 

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実働期間は20年未満?

「8トラ」は、1965 年頃にアメリカで開発されたそうです。

1970年代に、スナックなどの飲食店への販売・レンタルが開始。

後に家庭用にも拡大して行きました。

しかし1980年代後半には、前述のレーザーディスクやVHDが普及。

映像や歌詞字幕と共に歌え、収録曲数もはるかに増えました。

カラオケの形が革命的に変化し、それと同時に「8トラ」は絶滅への道を辿ることとなりました・・・。

「8トラ」の実働期間は、正味15年〜20年弱というところでしょうか。

 

祖母の生前の姿と、『8トラ』がリンク・・・?

私自身は、「8トラ」全盛期には小学校低〜中学年でした。

スナックやパブなどに出入りすることなど、もちろんありませんでした。

そんな私ですが、「8トラ」には思い出があります。

母方の祖母が生前(確か昭和55年前後)、カラオケに熱中し、自宅に8トラの再生機器を置いていたのです。

カートリッジも、20本ほど買い揃えていたように記憶しています。

私は物珍しさから、祖母に頼んでカラオケの曲を流してもらったり、マイクを繋げてもらって声を出したりしていました。

そのため、今も母方の墓参りに行ったり、仏壇に手を合わせる時、祖母が楽しそうに「8トラ」を操作していた姿を思い出すことがあります。

 

最後に・・・。

2年ほどした頃でしょうか。

祖母のカラオケ熱が冷めたのか、他に趣味ができたのか。

「8トラ」の巨大な再生機器は、祖母の家で見かけなくなりました。

私が社会人になりたての1990年代中盤、連れて行ってもらったスナックには、レーザーディスクやVHDはまだありました。

しかし、「8トラ」を置いている店は皆無でした。

技術の進歩のスピードは、恐ろしく速いものです。

私もいつの間にか、50歳代の中年オヤジとなり、世の中の進歩からどんどん置き去りにされ始めています・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。