1980年代の初め、小学4~5年生の頃、ポプラ社(今でも健在です)という出版社から出版されていた、子供向け探偵小説「少年探偵」シリーズに熱中していた時期があります。
著者は、日本ミステリー界の父と呼ばれる江戸川乱歩です。
江戸川乱歩を初めて知ったのは、幼稚園の頃にテレビで放送していた「少年探偵団」という番組です。
少年探偵団、別名BD7(Boys Detective 7)と呼ばれる七人の少年探偵(女の子もいます)が、謎の怪盗「怪人二十面相」の犯罪を阻止すべく活躍する物語です。
怪人二十面相の役が、「帰ってきたウルトラマン」で主役の郷秀樹を演じていた団次郎(現:団時朗)さんだったのに驚いた記憶があります。
BD7のメンバーが目印などに使う「BDバッジ」や、メンバーの一人が使うスリングショット(二股の棒にゴムをくくりつけ、パチンコ玉などを飛ばす道具)に憧れました。BDバッジは、おもちゃ屋さんで売っていたような気がします。
水木一郎アニキが歌う主題歌も良かったです。
それから4年ほどして、「少年探偵」シリーズを読み始めました。
小学校の図書室に置いてあったのです。その頃は、全40冊くらいのシリーズだと認識していました。インターネットで調べると、当時は全46冊でした。
ただ、27巻以降は、一般向け(大人向け)の作品を子供向けに書き直した(しかも乱歩ではなく別の作家が代作)ものでした。現在は絶版となっています。
当然、子供の頃はそんな大人の事情は知る由もありませんでした。
1巻~26巻までは、現在は文庫版で出版されています。
当時はハードカバーで、背表紙のタイトルの下に「黄金仮面」(乱歩作品の有名キャラクター)の顔のイラストが描かれており、本屋で探す際の目印になりました。
学校の図書室で借りると、本の最後に「貸出カード」が付いていましたが、自分を含めて4~5人くらいの、同じ男子児童たちの名前しか書かれていませんでした。「少年探偵」シリーズは、限られたメンバーたちの中で循環していたようなものです(笑)。みんな、どんな大人になっているのでしょうか・・・。
借りるだけでなく、親に本屋で買ってもらうこともありました。
「怪人二十面相」、「少年探偵団」、「青銅の魔人」、「鉄人Q」、「電人M」・・・、こうして書いていると、懐かしさが込み上げてきます。
第26巻までのほとんどの作品は、柳瀬茂先生によるカバー絵で、メチャクチャ雰囲気がありました。毎回ワクワクしながら借りたり買ったりしていました。
2020年の小学生たちにも是非勧めたいシリーズです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。