ネタバレなし:映画「パレードへようこそ」はアノ議員も必見!

皆様は、2015年(平成27年)4月に日本公開された映画

「パレードへようこそ」(原題:Pride)

をご存知でしょうか?

全国ロードショー作品ではなく、ミニシアターで上映されたいわゆる「小品」なので、映画ファン(中でもコアなファン)以外の人の認知度は、正直言って低いです。

しかし、作品の完成度は非常に高く、前年2014年(平成26年)の第67回カンヌ国際映画祭において、監督週間のクロージング・フィルムとして上映されました。

 

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実際の出来事がベース、テーマはLGBT!

本作はフィクションですが、1980年代中頃のイギリスで起こった実際の出来事をベースにしており、登場人物も実在(または実在していた)の人物が複数モデルになっています。

テーマの中核はズバリ

「LGBT」(レズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)です。

この作品には、レズビアンとゲイの人々が登場します。

そしてもう一つの核となるテーマは、当時のマーガレット・サッチャー首相率いる保守党政権による「サッチャリズム」で変化していくイギリス社会(特に労働者階級)です。

その象徴とも言うべき、炭鉱業の人々も登場します。

 

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同性愛者たちが炭鉱ストライキの支援に乗り出す!

英国全土で炭鉱ストライキが行われ、政府と炭鉱労働者たちが対立している中、首都ロンドンでは「ゲイ・プライド・パレード」が開催されていました。

観客の一人ジョーは、20歳で実家暮らし。調理学校に通う普通の青年です。

しかし、彼はゲイであることを家族や周囲には秘密にしていました。

パレードの途中で、ジョーは行きがかり上パレードの行進に参加させられてしまいます。

そして、そのまま反省会の会場である書店にも足を運びます。

そこで、ゲイの活動家マーク(実在の人物)が突然、

「自分たち同性愛者と炭鉱労働者は、国や社会から差別・迫害を受ける同じ立場だ!」

と訴えます。そして

「炭鉱夫支援同性愛者の会」(レズビアンズ・アンド・ゲイズ・サポート・ザ・マイナーズ:略称LGSM)

の創立を提案します。

しかし、ほとんどの参加者からは無視され、会場の書店のオーナーを含む数人がマークの呼びかけに応じ、創立メンバーとなりました。

その中には、ジョーも入っていました・・・。

 

紆余曲折の末、ある炭鉱への支援が決まり、現地へ駆けつけるが・・・。

書店を事務所代わりにし、LGSMのメンバーたちは早速募金活動を始めます。

各地の炭鉱の労働組合に連絡を取りますが、

「同性愛者の団体の寄付なんてお断り!」

と、全く相手にしてもらえません。

ところが、ひょんなことからウェールズのオンルウィン村にある炭鉱の組合代表者が、ロンドンにやって来ることになります。

メンバーたちの熱意が伝わり、代表者はLGSMの考えを理解してくれました。

代表者のダイは地元に戻りLSGMの申出を伝えると、彼らを村に招待したいと提案します。

ところが、組合員たちから猛反対されてしまいます。

色々あった末、LSGMは正式に村へ招待され、ワゴン車でロンドンからオンルウィンへやって来ました。

しかし、やはり組合員ら村の住人たちの態度は冷たく、LSGMのメンバーたちも自分たちは「招かれざる客」なのかと、落ち込みかけるのですが・・・。

 

DVDで観たが、できれば映画館で観たかった!

これ以降は、ネタバレ防止のため書かないでおきます。

決してハリウッド映画にありがちなハッピーエンディングで大団円!といった話ではありません。

コメディー要素を盛り込んでいますが、重い内容の映画であることは間違いありません。

映画公開前からこの作品については知っていましたが、残念ながら映画館で観ることはできませんでした。

レンタルでDVDを借り、自宅で観ました。

観終わって「いい映画だったな。」と思うと同時に、

「やっぱり映画館のスクリーンで観たかったなあ・・・。」

と少し後悔しました。

 

LGBT問題は、人間の尊厳・名誉に関わる問題だ!

21世紀に入って、前述の「LGBT」は世界的な重要テーマとして認識されるようになってきました。

しかし、まだまだLGBTの人々への差別・偏見は根強く、それがおおっぴらになされることも数多くあります。

日本ではヨーロッパやアメリカよりもはるかに認識が浅く、公職に就いている人々(国会や地方議会の議員など)が平気で差別発言を、しかもあからさまにしてしまいます。

こうした問題は、映画の原題にあるように「プライド」(Pride)、すなわち人間の尊厳・名誉に関わる問題です。

「生産性」云々の問題では断じてありません。

日本での「生産性」(杉田議員が雑誌上で「LGBTは子供を産まないから生産性が低い。」という旨の発言をしたことで、有名になってしまいました)発言擁護派の議論も、的外れ極まりないものです。

同性愛者であることを公言しているApple社CEOのティム・クック氏、台湾のIT担当大臣(正確にはデジタル担当政務委員)唐鳳(オードリー・タン)氏(男性から女性へ性転換したトランスジェンダー)の例を挙げるだけでも、「生産性」論争の馬鹿ばかしさが分かります。

 

最後に・・・。

この「パレードへようこそ」は、そういう意味では「プライド」と「友情」を二大テーマとした作品だと理解することもできます。

同性愛者と炭鉱労働者という、普通は交わるはずのなかった両者が共に闘う中で、自らの「プライド」を再確認し、「友情」を育んでいきます。

LGBTにも炭鉱にも、イギリスにも全く興味のない人にも、是非観ていただきたい作品です。

杉田議員にもお勧めしたいところです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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