「性格俳優」がシブいおじさんへの近道?

50歳を過ぎると、自分ではどれだけ若いつもりでいても、世の中の基準では100%

「おじさん」

というザックリとした年齢層に区分されます。

福山雅治さんや木村拓哉さんのような

「ザ・男前」

ですら、この区分入りから逃れることはできません。

故・松本清張さんの小説では、50歳代の男性は

「中年」

というオブラートではなく、

「初老」

という容赦ない表現で描かれています。

16世紀後半の戦国時代には、日本人の平均寿命は50歳辺りだったとか・・・。

外見においても、髪の毛がどんどんサヨナラを告げていき、残った髪も白くなります。

反対に腹周りの贅肉は、腹部にしがみついて離れてくれません。

顔にはシワやシミが現れ・・・。

これ以上書くと、悲しくて泣いてしまいそうなので、止めておきます・・・。

 

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『シブい』おじさんなら目指せるかも・・・?

そんな日々の中、ふとある考えが思い浮かびました。

「どうすれば、シブいおじさんになれるのか?」

おじさんとして区分されるのはやむなしとしても、その中でも当然ながら厳然たる

「ヒエラルキー(階層)」

が形成されます。

前述の福山さんや木村さんは、間違いなく階層ピラミッドの最上位に君臨するでしょう。

ピラミッドの下へ行けば行くほど、世間からの風当たりはきつくなります。

そして「おじさん」の前に、

「キモい」

「生理的に無理」

といった、不名誉な形容詞を冠されることとなります。

何とかして、もう少しマシな形容詞を付けてもらえるようになれないものか?

しばし熟考した末に辿り着いたのが、

「シブい」でした・・・。

 

ルックスや経済力を超えた『味』で勝負!

「シブいおじさん」

と一口に言っても、若い頃から男前の王道を歩んできた人たちについては、私としては対象外とみなします。

ハンサムが年齢を重ねてシブくなるのは当然です。

若い頃は、二枚目・モテ男から100光年ほど離れた日々を過ごす。

40歳過ぎくらいから

人生の年輪

心の余裕

周囲への気配り

などを会得。

ルックスや経済力ではない、人間としての

「味」

を身に付けた中年男性・・・。

そうしたおじさんを、

「シブい(渋い)おじさん」

と定義したいと思います。

 

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『性格俳優』にこそ、『シブい』へのヒントが!

そうは言っても、具体的なイメージを表すのは難しいです。

そこで思い浮かんだのが

「性格俳優」

という言葉です。

作品の内容に応じて様々な役柄、特に個性的で難しい役柄を演じてみせる役者(今回は男性)を指す言葉です。

二枚目の性格俳優もいますが、大抵はさにあらず。

しかし、20代〜40 代で様々な難役を熱演・怪演していく中で、ルックスの壁を打ち破り、

「あの人ってシブい!」

と女性から

「シブいおじさん」

の称号を授けられる俳優が、時々出現します。

世の中年男性にとっては、学ぶべきポイント満載の

「心の師匠」

とも呼ぶべき存在です。

 

最大の成功例はあの名優!

「シブいおじさん」

と聞いて、私が真っ先に連想したのは

故・蟹江敬三さん

です。

1970年代〜1980年代初めの蟹江さんは、「シブい」とは真反対の役を演じ続けていました。

円谷プロの特撮ドラマ

「ウルトラマンA(エース)」

では、悪の超獣(Aではそう呼ばれていました)に変えられてしまう、ヒッピー風の若者役でした。

そして、伝説の刑事ドラマ

「Gメン75’」

では、凶悪殺人鬼の

望月源治

として登場。

あまりの怪演ぶりに、当時の視聴者たちを恐怖のどん底に叩き込みました。

逮捕されてしばらくすると、刑務所から脱走。

2回目の登場を果たしました。

また、石原プロの刑事ドラマ

「大都会PartⅢ」

でも、走る自動車のルーフ(屋根)の上で手榴弾を投げまくる、ワイルドな犯人役を怪演。

ちなみに一部のシーンでは、命綱がないので、蟹江さんの身体が一瞬宙に浮いていたそうです・・・。

 

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『殺人鬼』から『理想の上司』へと大変身!

そんな蟹江さんの転機は、1980年代に訪れました。

刑事ドラマ(例:特捜最前線)では刑事役を演じ、スケバン刑事では南野陽子さん演じる麻宮サキをカッコ良くサポート。

トレンディードラマなどでも、主人公やヒロインの上司を演じるようになりました。

その後の大活躍については、ここで語るまでもありません。

「理想の上司」

「ダンディーなおじさん」

の代名詞的存在となりました。

 

通り魔役、死刑囚役を怪演!

続いて、

大地康雄さん

も忘れてはならない存在です。

無名時代には、

実際に起きた通り魔殺人事件の犯人役

を怪演なさっていました。

他にも、刑事ドラマ(これも特捜最前線・・・)で死刑囚の役を演じられたりと、蟹江さんに劣らぬアクの強さを見せていました。

 

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主演ドラマが2時間サスペンスの人気シリーズに!

ところがこの大地さんも、バブル期以降は

「上司役」

「刑事役」

を演じられるようになりました。

日本テレビ系の

「火曜サスペンス劇場」

では、主演作の

「刑事・鬼貫八郎(おにつら はちろう)」

が人気シリーズとなりました。

若い頃から頭髪は明らかに薄かったのですが、年齢・キャリアを重ねるごとに、それすらも一つの

「シブさ」

へと変化。

大地さんも

「シブいおじさん」

の代表格に名を連ねることとなりました。

 

ものまねタレントから大河の主役に大出世!

竹中直人さん

も、「シブいおじさん」に名を連ねるべき存在です。

芸能界デビュー当時は、

松田優作さんや松本清張さんのものまね

をなさっていたのは、一定以上の年齢の方ならご記憶でしょう。

しかし竹中さんも後に、

大河ドラマの主役(豊臣秀吉役)

を務め、現在も現役バリバリの個性派俳優として活躍中です。

 

最後に・・・。

私も含めた圧倒的多数の中年男性は、福山さんや木村さんよりも、こうした性格俳優たちをお手本とすべきでしょう。

そうして世の中に少しずつ

シブいおじさんが増殖

していけば、停滞期まっしぐらの日本社会も

「失われた30年」

から脱却できるのではないでしょうか・・・?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。