「オカンが流行の最果て」説

日本人は流行に流されやすいと、メディアでよく指摘されます。

グルメ(食べ物、飲み物)、ファッション、ドラマ、ゲームなど毎年、それどころか数ヶ月おきに新しい流行が生まれ、古い流行は押し退けられるように消えていきます。

 

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流行の最先端はどこ?

流行の最先端にいるのは、やはり10~20代の若者、特に女性でしょう。

この年齢層の支持を受けられるか否かが、流行の仕掛人である企業や広告代理店にとって、最も重要な分かれ目です。

この層を攻略できれば、他の年齢層にも流行の波が波及していきます。

すなわち、大ヒット = 莫大な利益につながります。

 

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流行の最果てはどこ?

ところで、流行の最終到達点、すなわち「最果て」はどこなのでしょう?

それは「オカン」です。「オカン」は、関西弁で母親を意味します。

母親世代、それも50代以上の世代こそが、世の中の流行が最後にたどり着くゴールだと言っても過言ではないでしょう。

では、関西弁で父親を意味する「オトン」世代はどうなんだ?と聞かれれば、答えは簡単です。流行の対象外です。

「オトン」世代は、流行の到達範囲の遥か彼方に存在しており、大手広告代理店も、まだ見ぬ大陸を目指して冒険の旅に出る勇気はありません。

オトンの中には、自ら流行に近付くべく旅立つ勇者もいますが、大多数の勇者たちは力尽き、たどり着くことができません。

 

文化の細分化が、流行にも影響した!

私が子供の頃、1970年代~1980年代前半は、流行は今ほど細分化されていませんでした。歌番組でも、北島三郎さんと松田聖子さんが一緒に出ていました。ルービックキューブやエリマキトカゲも、テレビ・ラジオや新聞をチェックしていれば、オカンでも認識できました。

しかし、1980年代後半のバブル時代以降、あらゆる分野で世代別の細分化が進み、年齢が5歳違うだけで話が噛み合わないことが増えてきました。

世の中の「オカン」は、ある意味独立国のような「オカン文化」の中で毎日が完結する人が多く、いわゆる「流行りもの」からは遠い位置にいます。

 

『オカン』世代が認識したら、ブームは一段落!

2002年(平成14年)の日韓共催サッカー・ワールドカップでは、イングランド代表のデイヴィッド・ベッカムが「ベッカム・フィーバー」を巻き起こしました。

若い世代はそれよりかなり前からベッカムを知っていましたが、「オカン」世代はこの時初めて、ベッカムの名前と顔を一致させました。そして、試合の結果そっちのけで「ベッカム様」に熱狂しました。

この時点で、日本国内における「ベッカム・フィーバー」は行き着く所まで行き着きました。

ほぼ同時期に始まった「韓流」ブームも、2~3年後に私の母親がイ・ビョンホンのドラマを毎週観るようになった段階で、とりあえず一段落ついたと言っていいでしょう。

 

これからも流行はオカンを目指す!

ここ2~3年も、様々な流行が生まれては消え、消えては生まれてきました。

ただ個人的に気になるのは、オカンにまで到達するほどの大きな流行が、少なくなってきていることです。

2017年(平成29年)夏に、日本のみならず世界中で大ブームを巻き起こした「ポケモンGO!」も、オカン世代に幅広く浸透したわけではありません。

熱中しているオカン世代の女性は確かにいましたが、私の周りのオカン世代は、誰も「ポケモンGO!」のことなど話していませんでした。

最近も、若者世代の圧倒的な支持を受ける、米津玄師やあいみょんにしても、オカン世代に届いているとは断言できない状況です。

オカン世代の壁は、想像以上に高く険しいのです。

しかし、企業や広告代理店は、オカン世代への到達を目指し、これからも色々な流行を仕掛け続けてくると思います。

 

最後に・・・。

ここまで色々書いてきましたが、私自身が既に年齢的には「オトン」世代に突入しています。

もう流行の対象外に位置しており、宣伝・広告の射程距離からは遠く離れています。そして、自分から射程に入っていく気力もありません。

オカン世代のように、日本の内需を喚起し、GDP(国内総生産)に貢献することを期待されていない、下級国民です(笑)。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。