21世紀に入り、インターネットやSNSが世界的な通信手段となったことで、
「広告」
も大きく様変わりしました。
今やテレビ・新聞の広告費総額よりも、ネット広告費総額が上回る時代となりました。
大手企業は、これまでの広告代理店頼みから脱却すべく、ネット・SNS世代への効果的な広告戦略を模索しています。
中小零細企業や個人店舗にとっては、多額の広告費をかけずとも、工夫次第で大きな宣伝効果が期待できます。
むしろ、チャンスの時代です。
10代の若者に『ティッシュ配り』は通じる?
ところで最近は、街頭で
「ティッシュ配り」
をしている光景を見ることが、めっきり少なくなりました。
もしかすると、10代の若者たちに「ティッシュ配り」と言っても話が通じないかも・・・。
ご存知の方ももちろん多いでしょうが、念のために説明すると、
「企業や店舗の広告が袋に印刷されたポケットティッシュを、道行く人々に配る」
行為です。
消費者金融業界が『ティッシュ配り』の先駆け?
「ティッシュ配り」を最初に始めたのは、消費者金融業界だと言われています。
1970〜1980年代は、いわゆる「サラ金」業界はまだ事業規模も小さく、社会的イメージも非常に低い状況でした。
1990年代後半までは、テレビCMも深夜の時間帯に制限されていました。
そうした状況下で、認知度向上や新規顧客開拓のために、ある業者が始めたのが「ティッシュ配り」だったそうです。
私が大学生だった頃は、朝夕の通勤・通学ラッシュ時、大きなターミナル駅の改札付近に、大手サラ金の社員らしき男女が立っていました。
そして、次々とティッシュを通行人に手渡していきます。
チラシと違い実用品なので、受け取る率が高い!
ただのチラシだったら、ほとんどの人は受け取らず去って行くはずです。
しかし、ポケットティッシュという実用的な物なので、割と多くの人が受け取っていました。
チラシより費用はかかりますが、目にしてもらえる確率が高まります。
私は
「ポケットティッシュ大好き人間」
を自認するほど、ポケットティッシュをよく使っていました。
なので、ティッシュの袋を差し出してもらうと、ほぼ100%の確率で受け取っていました。
社会人になってからも同様で、スーツの上着やズボン、コートのポケットに
「武富士」
「レイク」
などの広告入りのポケットティッシュが、多数入っている状態でした。
幸い、サラ金のお世話になることは一度もありませんでした・・・。
消費者金融のCM解禁により、ティッシュ配りの頻度が・・・。
ところが1990年代後半〜末になると、サラ金のティッシュ配りの頻度が徐々に減少していきました。
消費者金融会社のテレビCM時間帯の制限が、少しずつ緩和され始めたのと時を同じくしていました。
以前は、テレビCMも地方ローカル局でしか観ませんでしたが、各地方のキー局でも目にするようになりました。
21世紀に入ると、CM制限が完全撤廃されました。
朝から晩まで全国ネットのテレビ番組で、有名芸能人を起用したCMが流れまくりました。
それに伴い、サラ金のティッシュ配りは一気に姿を消し始めました(武富士あたりは、一番最後まで配っていたようですが・・・)。
携帯電話の普及に合わせ、携帯ショップが配り始めた!
去る者あれば来る者ありで、2000年代中盤辺りは
「携帯電話会社(キャリア)」
のショップが、よく駅前や街頭でティッシュ配りをしていた印象が強いです。
特に、最後発のソフトバンクのショップが、熱心に配っていたように思います。
携帯電話はサラ金と違い、CM制限はなかったので、NTTドコモ、AU、ソフトバンクの大手三社はテレビCMをバンバン打っていました。
それでも、ティッシュ配りのような地味な宣伝も、結構続けていました。
しかし2010年代になると、さすがに携帯ショップもティッシュ配りをやらなくなっていきました。
最後に・・・。
最近たまに見るのは、新規開店するパチンコ店や大手ゴルフショップくらいです。
ティッシュ配りが絶滅したとまではいきませんが、それに近い状態だと言えます。
元号が平成から令和に変わって、2年以上経ちました。
TwitterやFacebookなどのSNS、Youtubeなどのネットサービスでは、大手〜零細まで多種多様な企業・店舗がネット広告を出しています。
ティッシュ配りと比較すると、人件費や手間、効率性や効果などあらゆる点で優っています。
ただ、人の記憶に残るかどうかという点では、ティッシュ配りの効果もまだまだ捨てたものではないと思うのですが・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
 