「21世紀は地方の時代!」
「地方から日本を元気に!」
といった言葉が政治家やマスコミの間で飛び交い続け、長い年月が経ちます。
しかし、日本は今も
「東京一極集中」
と表現するしかない状態です。
ヒト、モノ、カネの全てが首都東京に流れ込んでいきます。
そして、政治・行政・経済の中心機関、最高機関もほぼ全てが東京に存在しています。
『地方分権』国家の代表、ドイツをお手本に!
日本は典型的な
「中央集権国家」
であり、ヨーロッパで同様の国としては、フランスが挙げられます(何でも首都パリに集中)。
いくら
「地方分権」
とお題目を唱えたところで、現状のままでは何一つ変わりようがありません。
「地方分権」、「首都機能の分散」が上手く機能している国をお手本にすべきです。
それはどこの国でしょうか?
探してみると、私のようなド素人でも簡単に分かります。
ヨーロッパの大国、ドイツです。
色々な主要機関が、首都以外にある!
ドイツの現在の首都は、言うまでもなくベルリンです。
世界的に有名な国際都市です。
しかし、ベルリンにドイツのあらゆる最高機関が集中しているわけではありません。
日本の国会に当たるドイツ連邦議会こそベルリンにありますが、その他の機関は割と国内のあちこちに分散しています。
連邦最高裁判所、連邦憲法裁判所(憲法に関する事項のみを扱う)
は、南部バーデン=ヴュルデンベルク州のカールスルーエが所在地です。
また、
ドイツ連邦銀行(日本の「日本銀行」に相当)
ヨーロッパ中央銀行(ECB)
証券取引所
は、中西部ヘッセン州のフランクフルトに所在します。
教育に関しても、ドイツ最古の大学
ハイデルベルク大学
は、バーデン=ヴュルデンベルク州の小都市ハイデルベルク(人口約14万人)にあります。
世界に冠たる有名企業も、ベルリン以外に本社が!
ドイツを代表する超一流企業も、多くがベルリン以外に本社を構えています。
世界的自動車メーカーの
BMWとアウディ
は、南部バイエルン州の州都ミュンヘンに本社があります。
ミュンヘンと言えば、ベルリンと並ぶ国際都市です。
また、メルセデス・ベンツでおなじみの
ダイムラー社
は、バーデン=ヴュルデンベルク州の州都シュトゥットガルトに本社を置いています。
ドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州は、
ルール工業地帯
で有名です。
この州のレヴァークーゼンという都市には、世界的医薬品メーカー
バイエル社
の本社があります。
同州のケルン(大聖堂で有名な街)には、ドイツ最大の航空会社
ルフトハンザドイツ航空
が本拠を置いています。
ここに挙げた例だけでも、ドイツは一極集中とは正反対であることがお分かりいただけると思います。
ドイツは州の自治権が強く、『地方分権』先進国!
ドイツでは、現在16ある州が強い自治権を持っています。
ドイツという国は、歴史的にいくつもの王国が分立していた時期が長かったため、地方自治の精神が浸透しています。
そうしたこともあり、ヨーロッパで最も地方分権が進んでいます。
1990年(平成2年)の再統一までは西ドイツと東ドイツに分裂していたため、経済的な
「東西格差」
はまだ残っていますが、各州とも様々な努力・工夫を重ねています。
最後に・・・。
日本のように
「東京栄えて地方滅ぶ」
という状況にある国としては、ドイツから学べることは山ほどあるはずです。
今後コロナ禍が収束したら、国会議員の
「海外視察」
という名の観光旅行が復活しかねません。
そんなものを復活させるくらいなら、国会議員から数十人ほどを選抜して、ドイツに半年~一年ほど派遣して欲しいと思います。
現地でホームステイをし、一般市民の目線で、ドイツの地方分権を身をもって学ばせるというのはどうでしょうか・・・?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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