弁護士が逮捕される事件が多発!社会のエリートがなぜ?

最近テレビのニュースを見ていると、弁護士が警察に逮捕される事件が妙に多いです。

罪状で圧倒的に多いのが、「業務上横領」です。

依頼人に返還されるべきお金や、管理しなければならない財産、訴訟のための着手金などを勝手に使い込んでしまうケースが大半です。

生活費や借金、果ては投資の失敗の穴埋めに他人のお金を流用する、悪質な犯罪です。

弁護士に対する信用を逆手に取り、依頼人に損害を与えるなど、もっての他です。

 

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ベテラン弁護士も逮捕されている・・・。

しかし、この手の事件はなくならず、ここ1週間で2件が報道されていました。そのうちの一人の名前には、見覚えがありました。

債権回収の仕事をしていた時、債務者の破産申立代理人として、受任通知を送って来たことがありました。

ニュースで、かなり高齢だったことを知りました。

経験豊富なベテラン弁護士が何で・・・と思ってしまいました。

 

弁護士が逮捕されると、周囲も大混乱!

実は10年以上前に、仕事で会ったことのある弁護士が逮捕されました。

担当していた債務者に依頼され、債務者の所有不動産を任意売却する件で、相談に来ました。

特に変な印象はなく、普通の弁護士という感じでした。

それから1ヶ月ほどしたある日、仕事が定時で片付いたので、職場の近くの大手家電量販店を訪れました。

消耗品を買い、当時購入を考えていた液晶テレビの品定めをしながら、ブラブラしていました。

ちょうどその時間帯は午後6時30分過ぎで、売り場のテレビからは各局のニュース番組が流れていました。

ある局で、弁護士が裁判の和解金を依頼人に返還せず、私的に消費した容疑で逮捕されたと伝えていました。

何気なく画面に目をやると、見覚え・聞き覚えのある名前が・・・。

翌日、職場で資料を探してみると、

約1ヶ月前に面談したあの弁護士でした!

弁護士会のWebサイトで氏名検索しましたが、既にデータ削除か表示停止されたようで、表示されませんでした。

事務所に電話しましたが、全くつながりません。

1週間くらいして、債務者から電話がかかって来ました。

逮捕されたことを知り、事務所に何回も電話をしたが、未だ連絡が取れないとのことでした。

債務者はその後、他の弁護士に改めて依頼しましたが、任意売却の話はかなり進捗が滞りました。

 

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弁護士も、独立したら経営者になる!

弁護士になりたての頃は、ほぼ全員の新人弁護士がどこかの法律事務所に「イソ弁」(居候の弁護士)として勤務し、実務経験を積んでいきます。

ある程度キャリアを重ねた段階で、独立を考える弁護士は多いそうです。やはり、「一国一城の主」になりたいのでしょう。

しかし、独立することは「個人事業主」になるのと同じです。経営者としての顔も持つことになります。

弁護士としては優秀でも、経営者としても優秀とは限りません。

顧客集めに営業回りをしたり、顧客の接待でゴルフをしたりと、中小企業の社長のようなこともしないといけません。

イソ弁や事務員の給料を払い、事務所の家賃や経費を払い・・・、弁護士の業務はもちろん、事務所の運営にも大忙しのはずです。

数人の弁護士による共同経営なら、まだ負担は軽くなるでしょう。しかし、弁護士1人と事務員2~3名という事務所が多いです。

裁判所や顧客の所を走り回り、日中は事務所にほとんどいない弁護士も結構います。

 

弁護士の生存競争は厳しさを増している!

ロースクール制度が出来て以降、弁護士の数自体はある程度増えました。しかし、業務の依頼件数も人数の増加に合わせて増えているわけではありません。

もともと大して大きくないパイを、今までより多い人数で分配していくことになります。

個人の法律事務所や中小の法律事務所は、大手事務所のように企業合併(M&A)などの大きい、かつ儲かる案件を受けられるチャンスは少ないです。

地味な民事・刑事裁判や相続の相談などで事務所を維持すべく、懸命に働きます。

しかし、いくら頑張っても事務所の経営は火の車、という弁護士も多いのではないでしょうか。

事務所の運営を続けるために、依頼人のお金につい手を付けてしまうというのが、最大の理由ではないかと思います。

 

最後に・・・。

弁護士は、弁護士バッジを付け、依頼人の「代理人」として颯爽と裁判所内を闊歩していたはずです。

ところが、横領罪で逮捕されると「容疑者」になります。

起訴され、裁判が始まると、口頭弁論期日には「被告人」として裁判所に足を運び、法廷の「被告席」に座ることになります。

目の前にいる裁判官や検察官とは、今までは法律理論を駆使して戦ってきました。

しかし、今や自分は裁判官や検察官から「裁かれる」立場なのです。

弁護士という、人が羨むエリート職に就きながら、こういう結末を迎えるのは、何とも切ないものです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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