今回ご紹介する
「polyvalent」
という単語を、私は10年以上前に初めて目にしました。
それは、
「ワールドサッカーダイジェスト」
という海外サッカー専門誌でした。
日本の雑誌(現在も隔週で発売中)なので、アルファベットの綴りではなく
「ポリバレント」
とカタカナで書かれていました。
「一体どういう意味なのか?」
と思った覚えがあります。
意味は推測できたが、綴りは思い浮かばなかった!
以降、時々この言葉が出て来るようになり、文脈から意味を推測することはできました。
「複数のポジションでプレーできる」
選手という意味です。
サッカー誌では、そういう選手のことをよく
「ユーティリティー・プレイヤー」
「マルチロール」(こちらはおそらく和製英語)
と表現しています。
それと同様です。
日本語で言えば、
「多才な」
「多芸の」
に該当するはずです。
そうした意味の英単語では、
「versatile」[vˈɚːsəṭl(米国英語), vˈəːsətὰɪl(英国英語)]
が知られています。
しかし「ポリバレント」は、綴りも思い浮かびませんでした。
そのまま、数年ほどが経過しました。
ネット検索で意味が分かった。意外な分野の用語が由来!
そんなある日、ふと「ポリバレント」のことを思い出し、インターネットで検索してみました。
カタカナで入力してみると、あっさり結果が出て来ました。
英語では、
「polyvalent」
と綴ることも分かりました。
本来は化学用語・医学用語で、
「多価の」
という意味だそうです。
英和辞典では、「poly −」が語頭に付くと
「多数の」
「多量の」
という意味を持つと書いてありました。
日常生活でよく見聞きする
「ポリエステル」
も、英語では
「polyester」[pάlièstɚ(米国英語), p`ɔliéstə(英国英語)]
となります。
発音的には、カタカナ表記すると「ポリヴァレント」の方が近いようです。
あの監督が使ったのが最初らしい!
それにしても、なぜこうした難しい言葉が、サッカー雑誌で使われていたのでしょうか?
その点についても、ネット上に答えが出ていました。
2006年(平成18年)、サッカーのドイツワールドカップが終わった後、2007年(平成19年)途中まで日本代表監督を務めた
イヴィツァ・オスィ厶さん(日本メディアでは「オシム」と表記)
が、記者会見で「polyvalent」を用いたのがきっかけと言われています。
代表チームの選手選考基準の一つとして、
「複数のポジションをこなせること」
が挙げられていたのです。
最後に・・・。
現代サッカーでは、一つのポジションしかできない選手(攻撃の選手に多い)より、複数のポジションでプレーできる選手の方が、生き残れる可能性が高いです。
サラリーマン・OLといった
勤め人
にも、「polyvalent」な人材が求められるような世の中になっています。
私自身は、多芸多才とは全く無縁です。
これからの世の中では、ますます生きづらくなりそうです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。