「菩薩」
という言葉自体、大抵の方はご存知でしょう。
仏教に関する言葉だということも、ご存知のことと思います。
しかし、いざ説明するとなると、大変難しいです。
もともと何を意味するのか?
岩波書店 広辞苑を見てみると、四つの意味があります。
一般的に使われる意味としては、
① [仏]さとりを求めて修行する人。もと、成道以前の釈迦牟尼および前世のそれを指して言った。
後に、大乗仏教で、自利・他利を求める修行者を指し、自利のみの小乗の声聞(しょうもん)・縁覚に対するようになった。
また、観世音・地蔵のように、仏に次ぐ崇拝対象ともされる。
菩提薩埵。
の説明でしょう。
広辞苑の説明が難し過ぎ、サッと読んだだけではよく理解できません・・・。
元来は、悟りを開く前に修行していた
釈迦牟尼(しゃかむに。お釈迦様すなわち仏陀のこと。)
を指していました。
それが転じて、
悟りを開くために修行する人
の総称となりました。
この「菩薩」、英語では何と言うのでしょうか?
実はサンスクリット語!
大修館書店 ジーニアス和英辞典では、「菩薩」は
「Bodhisattva」[bòudisʌ́tvə]
と書かれています。
そもそもこの言葉は、サンスクリット語(梵語)です。
ジーニアス英和辞典や、オックスフォード現代英英辞典には、
「Bodhisattva」は載っていませんでした。
様々な『菩薩』が存在する!
他の辞書では、
「a Buddhist saint」(仏教の聖者)
とも表現されています。
様々な「菩薩」が存在し、日本でも
文殊菩薩
普賢菩薩
などは有名です。
また、修行の度合いにより、菩薩にも
五十ニ位
という階位があるそうです。
あの言葉は当て字だった!
ちなみに、広辞苑の説明にあった
「菩提薩埵」
は「ぼだいさった」と読みます。
「Bodhisattva」の発音記号は、上記の通りです。
あえてカタカナ表記すれば
「ボゥディサァトヴァ」
といった感じでしょうか。
日本語で「ぼだいさった」と聞こえても、おかしくありません。
そこから「菩提薩埵」と当て字で表現したようです。
最後に・・・。
私がこの言葉を知ったのは、30年近く前に買った、あるCDがきっかけです。
アメリカの伝説的AORユニット
STEELY DAN(スティーリー・ダン)
が1973年(昭和48年)に発表した2ndアルバム
Countdown To Ecstasy(邦題:エクスタシー)
です。
このアルバムの1曲目に
「Bodhisattva」
という曲があります。
歌詞カードを読んで、
「『菩薩』って、こう言うんだ・・・。」
と思った記憶があります。
「スティーリー・ダン」(Steely Dan)というアメリカのロックバンドは、令和の若い世代には馴染みが薄いでしょう。一方、昭和に若者だった世代(1950〜1970年代生まれ)には、大ファンだった方が結構多いはずです。[…]
英単語もこういう形で覚えると、なかなか忘れないものです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。