2022年(令和4年)2月下旬、ロシア軍によるウクライナへの侵攻が開始されました。
それにより、ヨーロッパの多くの国が加盟している
欧州連合(通称EU=European Union)
の重要性が、改めて浮き彫りとなりました。
2022年4月現在、EU加盟国は27カ国。
1993年(平成5年)11月1日のEU発足時は、加盟国は12カ国でした。
以降、現在に至るまで15カ国が新たに加盟、当初の2倍超となりました。
『EU拡大』はどう英訳?
加盟国の増加は、
「EU拡大」
と呼ばれています。
確かに加盟国が増えれば、EU圏の面積が拡大します。
そして、ヨーロッパの中でのEUの勢力も拡大します。
ところで、この「EU拡大」、英語ではどう表現すべきでしょうか?
『拡大』の英訳が、なかなか浮かばない・・・。
「EU」については、そのまま「EU」でも構いません。
あるいは上記のように、「the European Union」と表記してもいいでしょう。
問題は、「拡大」の訳し方です。
日本語では、「拡大」という言葉は普通に使われますが、いざ英語などの外国語で表現しようとすると、なかなか頭に浮かびません。
和英辞典で調べてみると、
「拡大」
「拡大する」
には、4〜5個の英単語が出て来ます。
内容によって使い分ける必要があります。
適しているのは二つだが・・・。
大修館書店 ジーニアス和英辞典で「拡大」を調べると、まず
「expansion」[ɪkspˈænʃən(米国英語)]
が紹介されています。
これを用いると、
「EU expansion」
「expansion of the European Union」
のように英訳できます。
次に紹介されているのが、
「enlargement」[‐mənt(米国英語), ˌeˈnlɑ:rdʒmʌnt(英国英語)]
です。
「EU enlargement」
「enlargement of the European Union」
と表現できます。
EUの英語版Webサイトでは・・・。
Web英語辞典の多くでは、「expansion」と「enlargement」の両方が載っています。
しかし、EUの政策執行機関である
欧州委員会(European Commission)
の英語版Webサイトでは、
「enlargement」
を使用していました。
となると「EU拡大」の場合、「拡大」の最適な訳語としては、
「enlargement」
となるのでしょう。
最後に・・・。
確か、1990年代後半だったと記憶しています。
朝日新聞社の時事用語解説集
「朝日キーワード」
を購入して読んでいた際、「EU拡大」という項目がありました。
そのページに、「EU enlargement」という英語が載っていました。
「『expansion』じゃなくて、『enlargement』を使うのか。」
と思ったので、今も頭の中に残っています。
やはり英単語・英熟語は丸暗記より、何かの記憶と関連付けると、忘れにくいと実感します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。