「nepotism」
という英単語は、このブログで今まで取り上げてきた他の英単語・熟語と同様、日常会話でよく使う言葉ではありません。
また、正直良い意味では用いられず、この単語を使うのはネガティブな話題においてです。
実は、2021年(令和3年)3月頃に一時日本のマスコミを騒がせた、ある事件に関連しています。
ラテン語、イタリア語が語源?
研究社 英和中辞典によると、
「nepotism」[népətìzm(米国英語), ˈnepʌˌtɪzʌm(英国英語)]は
「(就職の際などの)縁者びいき、縁故採用」
と日本語訳されます。
他の辞書では
「縁故主義」
「身内びいき」
などとも訳されます。
一般的な例としては
「get(または win) a Job through nepotism」(身内のコネで仕事にありつく)
というように使います。
語源と言われているのは、イタリア語で「孫」や「甥、姪」を意味する
「nipote」(英語のように孫、甥、姪で異なる単語ではない)
や、イタリア語の基であるラテン語で「甥」を意味する
「nepos」
です。
イタリア語でも縁故主義のことを
「nepotismo」(あえてカタカナで表記すると「ネポティズモ」)
と呼びます。
なお、「nepotism」の形容詞形は
「nepotistic」[nèpətístik](縁故主義の、身内びいきの)
となります。
「nepotistic succession」
は、日本語で「世襲」と訳されます。
世界各国で「nepotism」は蔓延している!
「コネ」
「縁故」
は、日本に限らず世界各国で行われている悪しき習慣です。
例えばイギリスでは、金持ちの子弟が通う寄宿制学校パブリック・スクールでの人間関係が、後の就職やビジネスなど様々な面で有利となるそうです。
また、インドネシアなど東南アジアの国々でも、「コネ」や「縁故」の有無で人生が大きく左右されることがあるそうです。
最後に・・・。
現代の日本でも、負けず劣らず「nepotism」が幅を効かせています。
シンゾウ元首相の
「お友達優先」
主義は有名です。
そして、次の首相のご子息も、某有名企業でつい最近まで部長職兼子会社の取締役に就いていました。
その企業が世間を騒がせた事件は、記憶に新しいでしょう。
「nepotism」とは全く無縁の人生を送ってきた私としては、うらやましい限りです。
今度もし人間に生まれる際には、「nepotism」を駆使して楽に世渡りしたいです。
できれば親からの「nepotistic succession」で金バッジを手にし、
「センセイ」
と呼ばれてみたいものです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。